万祝 (4)/望月峯太郎

主人公・大和鮒子ようやく外洋へ。もうこの巻から展開が速いですね。 一緒に船出した仲間はそれぞれ個性があって楽しいんですが、なにより鴨林先輩の勘違い振りが微笑ましい!船が台風に遭遇したり、海賊達と立ち回りがあったりするんですが、鮒子の真っ直ぐな想いがどんな窮地も切り抜けさせるんですな。いいですな。この物語って、女子高生が船で海に出て宝島を目指す、っていう有り得ないストーリーなんだけど、主人公の天真爛漫な魅力で読むものを捻じ伏せちゃうんですね。サイドストーリーとして海賊同士の血で血を洗う抗争なんかも描かれるし、国家単位の陰謀なんかもあったりするし、この巻のクライマックスでは太平洋戦争時代の戦艦の墓場なんていう嘘八百が舞台になったりもしますが、どことなくのほほんとした登場人物たちのお陰で(ゆくゆく味方になるイイモノの海賊達とかさ)わくわくしながら読めるんですよね。結局このライトさが良いんだと思う。この先も長そうですが、いい話になりそうです!