Uncommon Places: The Complete Works
- 作者: Stephen Shore
- 出版社/メーカー: Aperture
- 発売日: 2004/05/15
- メディア: ハードカバー
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それと同時に、アメリカの広さを感じることも出来る写真集でもある。オレはアメリカの州の名前は、聞いた事があってもアメリカのどの場所にあるかなんてさっぱり判らないんですよ。で、今回この写真集を見ながら、アメリカ地図を広げ(ってネットで検索したんだけどね)、写真に付けられたキャプションを元に州の場所を確認しながら写真を見ていったんです。なんだか地図の上で旅をしているような感じ。アメリカ中西部、アイダホ州のモーテルで始まった写真の旅は、アメリカの南東部、フロリダ州のプールで終わるんですね。GO WESTの掛け声で開拓されていったアメリカ大陸の歴史を遡っていく、といった趣向なのでしょうか。こんな風に考えると、結構粋な構成だと思いました。
それにしても、オレの様にメインストリームな表現はわざと避けて、ちょっと外れてたりする表現ばかり漁っている人間にさえ、この写真集の美しさはストレートに胸に来るものがあります。値段もアマゾンでこの手の写真集にすると破格の¥5000前後だし、素直に人に薦められる写真集ですよ。
ただ、ノスタルジーや懐古趣味には、オレはあまり係わらないようにしてるんですよ。それよりも、新しいものに触れていたい、新しいものを見たい、という感情のほうが強いんです。
感傷は、ある種の精神的な保留状態なんでしょう。人は多分、感傷的になる意外にどうしようもない状況の下で、感傷的になるんです。思い出にしか残っていない物や場所、人、それらに心情的に仮託したとしても、それらがもはや存在しないという現実には抗うことは出来ません。だから感情は保留の状態になる。それが感傷なのだと思う。あと、思いっきり人のことを振ってくれた女のことを思(略)。しかし、オレ自身多分に感傷的な人間ではありますが、ここからは、新しいものは生まれないのも、判っているつもりです。だから、前に進みたい時に、感傷は、無意味な感情なんじゃないかと思う。
なんか、アメリカの片田舎の写真ばかり見てたら、S・キングの小説読みたくなってきたな。え、ホラー読みたくなるなんてオレだけ?
Stephen Shoreのアーティスト・プロフィール : http://artphoto-site.com/story60.html