そして2023年、1987年盤ベストのリマスター盤が発売される。リマスター盤は1987盤と一部曲目の差し替えがあり、さらに2CD盤とは別に4CD盤が発売されている。こちらはCD3に「ALTERNATIVES & B-SIDES」、CD4に「LIVE FROM IRVINE MEADOWS AMPHITHEATRE, CALIFORNIA 1987」と銘打たれたライヴ音源が収録されている。リマスターが施されているので当然音質は向上、新たな1987年ベストとして楽しむことができる。
上記『(the best of) New Order』のリミックス・バージョンを集めたベスト盤。なお『(the best of) New Order』の全てのリミックスを収録しているわけではなく、そもそもリミックスはロングバージョンが多いのでこちらの収録曲は10曲と少ない(でも長い)。ニュー・オーダーのリミックス・バージョンは面白いものが多いのでこちらも必聴。
2001年にリリースされたオリジナルアルバム『ゲット・レディー』の翌年にリリースされたベストアルバム。全14曲。こちらは前回の『(the best of) New Order』と違い初期アルバムから満遍なく有名曲を収録しているが、1981年から2001年まででで併せて14曲となると取りこぼしも多く、当然「ザックリした」ベストであると言わざるを得ない。
1981年と1982年にジョン・ピール・セッションで録音したセッション・アルバム。曲の多くは1stアルバム『Movement』から、2曲は2ndアルバム『Power, Corruption & Lies』の曲「5-8-6」「We All Stand」が演奏されている。他にキース・ハドソンのレゲエ曲「Turn The Heater On」を演奏しているのが実に珍しいし(イアン・カーティスの好きな曲だったのらしい)、「Too Late」はニュー・オーダーの全てのアルバム/コンピレーション/ライヴの中でもこのセッションでしか聴けない大変貴重な未発表曲である。なおこのアルバムは幾つかのバージョンでリリースされているが、オレの入手したのは上記アルバム・ジャケットのもの。他のも収録曲は同じのはず。
1987年のグラストンベリーCNDフェスティバルでのヘッドライン・パフォーマンスを編集したもの。「Touched By The Hand Of God」「The Perfect Kiss」「Bizarre Love Triangle」「True Faith」といったシングルヒット曲が満載で意外と聴きやすい。ラストでベルベット・アンダーグラウンドの「Sister Ray」のカヴァーが聴けるのがなにより貴重。
Live at the London Troxy (2011)
2011年にロンドンのザ・トロクシーで録音されたライブだが、残念なことに現在入手不可能。なので持ってません。クライマックスで「Blue Monday」「Love Will Tear Us Apart」が演奏され大いに盛り上がっているのだそう。
2012年9月にイギリスのワイト島のロビン・ヒルで開催されたBestival 2012で録音されたライブ・アルバム。トラックリストには「Bizarre Love Triangle」や「True Faith」などのベストヒット曲がほとんど含まれており、「Isolation」、「Transmission」、「Love Will Tear Us Apart 」といったジョイ・ディヴィジョンの3曲も収録されている。前作ライブ『Live at the London Troxy』と同様に、ピーター・フックに代わってトム・チャップマンがベースギターを担当。
2015年に行われた英ブリクストン・アカデミー公演のライヴ盤。この時点での最新アルバム『ミュージック・コンプリート』から5曲、さらに例によっていつもの如くなヒット曲満載、そしてジョイ・ディヴィジョンの「Love Will Tear Us Apart」等ジョイ・ディヴィジョンからニュー・オーダーまでのベストが演奏される。CDでは2枚組全19曲の圧倒的なボリューム。
∑(No,12k,Lg,17Mif) New Order + Liam Gillick: So it goes.. (2019)
2017年にマンチェスターのオールド・グラナダ・スタジオで開催された「Manchester International Festival」に出演した際に収録されたライブ。このオールド・グラナダ・スタジオはジョイ・ディヴィジョンが1978年にトニー・ウィルソン(ファクトリー・レコード創始者)のTV番組「So It Goes」に初出演を果たしたスタジオだった、といういわくつきの場所。収録曲は全キャリアにおける膨大な作品素材:お馴染みのものから超レアなもの、初期のものから最新作までを一旦解体し楽曲の構想を練り直し再構築して行ったとされ、王立ノーザン音楽大学の学生による12台ものシンセサイザー・アンサンブルが加えられている。CDでは2枚組全18曲。なおアルバムタイトルの読み方も意味も全く分からないのだが、調べたら下記のような記事があった。
アルバム名は総和の∑、ニュー・オーダーのNo、12人のシンセサイザー奏者で構成されたオーケストラから12k、そしてアーティストのLiam GillickのイニシャルLg、最後に2017年のManchester International Festivalの17Mifから構成されている。そして最後のSo it goes..は1978年にジョイ・ディヴィジョンが初めて出演したテレビ番組のタイトルを意味している。
・ベスト・アルバム……やはり最新ベストである『Singles』が一番網羅的でボリュームもそこそこあるからこちらがいいかも。2002年リリースなので網羅的ではないが、4枚組ボックスセット『Retro』はニュー・オーダーの全貌を掴むといった形では本当のベストだと思う。ただ『Retro』はちょいと高額なので、後期の曲を切り捨ててもいいのなら2023年発売のリマスター盤『Substance 1987』が音もいいのでこちらもお勧め。できるなら4枚組を!(やっぱり高い!)ニュー・オーダーのリミックス作を楽しめるといった点で『(the rest of) New Order』も捨てがたい。
・ライブ・アルバム……最新ライブ・アルバムとなる『Education Entertainment Recreation』はニュー・オーダー・ライブの最新形といった形で楽しめるが、ステージの熱気が存分に味わえるといった点では『NOMC15』のほうが上だと感じるので、こちらをお勧めしようかな。余裕のある方はニュー・オーダー結成時のヒリヒリとした緊張感を味わえる『The John Peel Sessions』も一聴の価値があると思う。