シュリデヴィが恋の板挟みになっちゃうロマンス作品『Chandni』

■Chandni (監督:ヤシュ・チョープラー 1989年インド映画)


そういえばシュリデヴィ主演の映画って『マダム・イン・ニューヨーク』(2012)ぐらいしか観たことがないなあと思い、彼女が全盛期の頃に大ヒットしたというロマンス映画『Chandni』を観てみることにしたんですがね。出演はシュリデヴィの他にリシ・カプール、ヴィノード・カンナ、ワヒーダ・レーマン、そしてアヌパム・ケール。監督は恋愛映画の大家ヤシュ・チョープラー。なお、映画の3分の2ぐらいまで進行してやっとお話が展開する作品なので、割と後半まで物語を説明しちゃっていますから、ネタバレ嫌いの方はご注意を。

お話はチャンドニー(シュリデヴィ)とローヒット(リシ・カプール)の出会いから始まります。しつこく口説きまくるローヒットにうんざりしながらも次第にチャンドニーは彼に惹かれてゆきます。二人の交際が始まり婚約まで済ませたある日、ローヒットはチャンドニーを喜ばせようとヘリコプターをチャーターし空からバラの花びらをばら撒きます!なんてロマンチック!しかーし!なんとそのヘリが墜落、ローヒットは半身不随に!?こんな俺ではチャンドニーを幸福にできないと悟ったローヒットはチャンドニーにわざと辛く当たり、泣く泣く彼女と別れてしまいます。ここまでが前半。

いやーなにしろシュリデヴィがメッチャキュート!なんかもうお人形さんみたいなルックスなんですよ。踊りのシーンも魅力たっぷり、こりゃあ当時のインド人男性のハートを鷲掴みにしただろうなあ。一方相手役のリシ・カプール、なんとなくウザイです。下品でガサツです。若い頃のリシ・カプールはとっちゃん坊やみたいなルックスでしたが、今作ではすっかり貫禄が付いて梅宮辰夫みたいな風情です。ただまあ、イケメンて訳ではないにせよ、経済力はありそうだし体型的にも頼り甲斐がありそうですし、この辺でチャンドニーのハートを射止めたのでしょうか。

しかしねー、例によって3時間以上ある映画なんですが、この前半では殆ど二人のキャッキャウフフな様子ばかりが描かれてて、少々食傷するのも確かです。で、インターバルを挟んだ後半部で、チャンドニーが職場の上司ラリットと新たな恋が芽生えるという展開が待ってます。ラリット演ずるはヴィノード・カンナ、リシ・カプールが梅宮辰夫だとすると優男風のヴィノード・カンナは神田正樹ということになるかもしれません。ローヒットと比べると身持ちは固そうだし、なにより見てくれが暑苦しくないので、こっちとくっついてお話終わりでいいじゃん、と思い始めていたオレなんですが、ここで(やっと)大波乱がやってきます。

ラリットは出張でスイスに出掛けます。そこでなんと彼はローヒットと知り合ってしまうのです!実はローヒット、チャンドニーのことが忘れられず、一念発起してスイスのリハビリセンターに入院し、そこで見事身体が治っていたんですよ!二人はお互いが同じ女性を愛していることを知りません。そして、意気投合した二人は「俺たち、それぞれに思っている女性と上手くいくといいな!」なんて熱く語ったりしてるんです!しかも二人一緒にインドに帰ることになり、「あ、お互いの彼女見せっこしない?」なんてそれぞれチャンドニーに電話しちゃったりしてるんですね!いやあ修羅場の予感ですね!だいたい梅宮辰夫と神田正輝が一人の女性を巡って争うんだからこっからはもう東映映画並みの血で血を洗う仁義なき戦いが繰り広げられるのは目に見えてますよね(注:そんな映画じゃありませんってば)!この後の阿鼻叫喚の様子は映画を観てご確認を!(投げっぱなし)
(↓4分近くある予告編なんですが、延々シュリデヴィが魅力を振り撒きまくっているだけでどんな映画かさっぱり分からない、というのがスゴイですね。なんかもうアイドル映画ノリですよね)
http://www.youtube.com/watch?v=gtMwC6DP0D0:movie:W620