駒ケ岳に登ってきた (その1)

■ことのはじまり

この土日に長野県は中央アルプス駒ヶ岳、標高2600mの位置にある《千畳敷カール》に登ってきた。
そもそもは1週間前。「今度3連休あるけど、紅葉でも観に行く?」と相方さんと話していたのだ。そして旅行雑誌などをパラパラめくっていたら目に付いたのが長野県駒ヶ根《中央アルプス駒ケ岳ロープウェイ》。「日本でも最初の山岳ロープウェイ。終着駅の標高2611.5mにある千畳敷駅は、ロープウェイで最も高い位置にある駅」とかなんとか書いてあるではないか。なんでも日本で一番早く紅葉が観られる場所のひとつらしい。「おお!これは凄い!これに乗りたい!ここ行こうここ行こう!」駒ケ岳の位置も知らずに簡単にその気になったオレは相方さんに同意を求める。「うーん…いいんだけど一週間まえでしょ?宿とか交通機関とかもう予約でいっぱいじゃない?」「なんとかなる!だから探してみて」「…」肝心なことはすっかり他人任せのオレである。
それでも相方さんにあれこれ検索してもらい、ああだこうだ言いながらやっと空いている宿と駒ヶ根までの高速バスを見つけネットで速攻予約、どれも最後の1室、最後の空き席みたいなもんだったから幸運だった。「やった!これで来週は紅葉が観られるね!」とはしゃぐ計画性皆無のオレ。まあ取り合えずよかったよかった、ということで駒ヶ根の近所で他に観光するところあるかねえ、などとルンルン気分でネットを眺めていたオレと相方さんの目に、恐るべき事実が書かれている観光案内が目に飛び込んだ。なんと10月の駒ケ岳は平均気温6度、最低気温は−3度まで下がると言うではないか。「こ、これ、普通に東京の冬だよね…」「…着てくもんどうすんの?」「オレアウトドアっぽい服持ってないし」「私も冬物まだ仕舞ったままだし…」そしてそれから大慌てで押入れかき回したりユニクロで安い防寒着手に入れたりしていたオレと相方さんであった。

■という訳で1日目

出発は新宿発高速バス10時の便。所要時間3時間半のところ渋滞で遅れ駒ヶ根インターチェンジに2時頃に到着。《女体入口》なる「いやそれってあからさま過ぎんだろ!」という名前のバス停を通り過ぎ、たわわに実る稲穂に「秋だねー」などと相方さんと呟きながらこの日の最初の目的地《光前寺》を目指す。

《光前寺》到着。仁王門を過ぎ杉並木参道を歩く。参道の石垣には珍しい《光苔》が自生しているという話だったのだけれどよく見えなかったな。

三門を潜り本堂へ。

肩からドラゴン発射!な彫刻に感動して三重塔を見る。

《光前寺》を後にして宿を目指す。それにしても緑が多くそして深い。なんかもうツインピークスみたいな林を見つけて相方さんと二人「あやしい…」と囁きあう。

宿に到着。《ペンション ウッドイーン》。ログハウス造りで「大草原の小さな家」をイメージしたお部屋の名前に「やさぐれオヤジで売っていたオレも遂にペンションに泊まるようになったか…」などとよく分からない感慨に浸る。

荷物を置き露天風呂もある《信州駒ヶ根高原 早太郎温泉 こまくさの湯》へ。やっぱり旅に来たら温泉だろ温泉!

途中で通りかかった《駒ケ池》の美しさにビックリ!水面に風景が綺麗に映り込む水の透明さ!

温泉でゆったりした後はこの旅のもう一つの目的、《南信州ビール》を飲ませるビア・レストラン《味わい工房》へ。

ここでゴールデンエール、アンバーエール、デュンケルヴァイツェン、季節限定ビールなどのエールを飲み比べながら信州味噌ピッツァやオリエンタルスペアリブ、馬肉の燻製の入った燻製盛り合わせなどを注文。味噌ピザは最初どうなんだろ?と思ったけど美味しく食べられた!あとスペアリブがボリュームの割りに値段がそこそこ、さらに味もよくて満足であった。エールももちろん美味しかった。それにしてもどこにいっても酒ばっかり飲んでいるオレと相方さんであった…。


食べ終わった後は駒ヶ根の夜道を散歩。途中に大きな川と吊り橋があり二人で渡ってきたけど、明かりの殆ど無い誰もいない夜の橋を、下を流れる真っ黒な川のゴウゴウとした音を聞きながら渡るのは結構スリリングであった。

さて宿に帰り時間はまだ9時ぐらいだったが早々とベッドにつく事に。実は、明日の駒ケ岳登頂の為、朝4時半に起きなければならなかったのである。
(つづく)