今日もレゲエ三昧!

去年まではテクノ・ミュージックをよく聴いていたけれど、ここ2,3ヶ月はこれ一色といっても言いぐらいレゲエ、それもルーツ・レゲエ/ダブ物ばかり聴くようになってしまった。これらの音源は1970〜80年代の古いものが多いのだが、どれを聴いても素晴らしい出来栄えの音で、何か掘っても尽きせぬ金脈に出くわした様な気持ちである。ジャズの名盤を発掘しているような感覚、といったら判り易いかな。録音は勿論古いし、テクノロジー的にもプリミティブなものなのだが、なにしろ打ち出される一音一音のその音の響きと硬質さは時代など全く無関係な恐るべきクオリティの高さをみせる。


もとよりダブミュージックなどはノン・メロディーで殆どパーカッションとサウンドエフェクトのみで聴かせてしまうという作りなのだが、レゲエ独特のミディアムテンポのリズムセクションへ痙攣的に挿入されるサイケデリックなSEの幻惑性はぐいぐいと聴くものの耳を捉えて離さない。


そしてノン・メロディーということは余計な情緒性が一切差し挟まれないということだ。ハイでもローでもない一定のリズムとテンションをキープし続けること。熱狂でも憂愁でもなく、一音一音に覚醒してゆくこと。毎日をそんな風に生きること。レゲエの、ダブの音は頑固でしつこい陶芸家みたいなものだ。しかしその作品は心の中に凛とした意思ある形を刻みつけるのだ。


■Reggae Anthology: The Channel One Story
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ご存知1970年代、ジャマイカはキングストンのトップレーベルといえば、Channel One、その集大成的アルバムがUsベース、Vp Recordsからリリース!定番中の定番Mighty Diamonds-i Need A Roof、ガンジャアンセムFrankie Jones-don't Smoke The SeedからはじまりMeditations-woman Is Like A Shadow、Wailing Soul-things & Time ,dillinger-cocaine In My Brain ,barry Brown-far East、The Jays & Ranking Trevor-queen Majesty、Lone Ranger-m16などなどレゲエファンなら知っていないと笑われる(冗談です)名曲がずらり収録!
http://www.reggae-store.com/catalog/628-30.html

もうラインナップが強力&豪華すぎて1曲1曲あげることさえ出来ません。勿論どれも粒揃いの曲ばかり。聴きやすくポップな風味さえするレゲエミュージック・アンソロジーです。


■Sly & The Revolutionaries/Black Ash Dub

Black Ash Dub

Black Ash Dub

Jah Thomasプロデュース、Midnight Rockレーベル、1980年に発表されたダブアルバムBlack Ash Dub、Cd盤が入荷!演奏はSly & The Revolutionaries、80年代初頭らしい演奏のPretty Looks、My Heart Is Goneなどのリディムトラックを収録。クラシックダブ!http://www.reggae-store.com/catalog/720-30.html

ダブ。曲目がどれも「マリファナ」とか「L.S.D.」とか「コカイン」とか麻薬のものになっているのが可笑しい。レゲエといえば”ガンジャ”と呼ばれる強力な大麻が切って切れない関係で、ダブのフリーキーなスタイルはこのガンジャの幻惑性が大本になっているのだろうとはよく言われる。


■LINVAL THOMPSON AND FRIENDS/WHIP THEM KING TUBBY

Whip Them King Tubby

Whip Them King Tubby

これはすばらしいコンパイルアルバムが、あのLee Perry研究で有名な、David Katzの編集によりリリース!ご存知Linval Thompsonは70年代、シンガー、プロデューサーとしてマルチに活躍したアーティスト。そのLinval Thompsonプロデュースによる、Horace Andy、Johnny Clarke、Jacob Millerなど当時絶大な人気を誇ったシンガーのテイクと、King TubbyによるダブミックスをDavid Katzがコンパイル、もうバッチリの選曲、そして未発表テイクも収録されているので、マニアにも見逃せませんよ!http://www.reggae-store.com/catalog/601-40.html

またもやキング・タビー。知らない方のために書くと、彼はミュージシャンではなくリミキサーで、そしてレコードやCDは演奏者ではなく彼の名をタイトルに挙げて売られるのである。それぐらい強力な音を作っていた人なのだ。今で言うDJみたいな感覚かな。オレが今「尊敬する人は?」とか訊かれたら迷わずこの人の名を挙げるだろうなあ。ダブを作ったのがこの人みたいなもんだから。なにしろカッコイイ。いや、見てくれは普通のオヤジなんだが、この普通のオヤジが凄い音を作ったというところがまたカッコイイ。恐るべき硬質な音を聴かせるそのサウンドワークは歴史を超越しているとさえ感じる。現在PCのデスクトップ壁紙もこのオヤジである。オヤジ壁紙。(TOP写真)


Creation Rebel /Dub From Creation

UKCREATION REBELが≪ON-U SOUND≫の前身である伝説的レーベル≪HITRUN≫に残した幻の名作をエイドリアンによる最新リマスターに未発表音源+レア音源を加えたオリジナル世界初CD化再発!! U.Kダブ界の鬼才エイドリアン・シャーウッドが主宰する≪ON-U SOUND≫の前身である伝説のレーベル≪HITRUN≫からリリースされたCREATION REBELの幻の1stアルバム『Dub From Creation』が遂に世界初CD化(日本盤のみ)!! U.Kダブ・シーンの第一歩となった本作は≪ON-U SOUND≫ファンはもちろんのことルーツ・レゲエ・ファンからダブ・ファンまで間違いない1枚!! そして今回は、エイドリアン・シャーウッド自身による最新リマスター音源に、未発表音源2曲を加え、オリジナル・ジャケットを忠実に再現した紙ジャケ仕様にてリリース!! http://www.reggae-store.com/catalog/600-23.html

UKダブの第一人者エードリアン・シャーウッドの初プロデュース作品。このころシャーウッドはまだ10代だったという。スゲエ。オレもダブは≪ON-U SOUND≫レーベルのものから入っていった。実験的なダブ作品として有名な『スターシップ・アフリカ』はこのアルバムが青写真になっているのだという。知らなかった。エンジニアはデニス・ボーヴェル。彼もその後LKJやマトゥンビのプロデューサーとして活躍している。まさにUKダブの草分けとなった作品。でも今聴くと少し淡白かも。