アクシャイ・クマール主演の法廷ドラマ『Jolly LL.B 2』

■Jolly LL.B 2 (監督:スバーシュ・カプール 2017年インド映画) 

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落ちこぼれ弁護士ジョリーが起死回生の法廷闘争を繰り広げるドラマです。2013年製作の法廷コメディ『Jolly LL.B』の続編なんだそうですが、この1作目は観てません。ちなみに「LL.B」は 「法学士」の意味らしい。

インド映画は結構法廷ドラマや法廷シーンを持ち込んだ作品が多くて、「流石ダルマの国だよな」と思わされます。いえ、単なる思い付きです。ただ問題は専門用語が多くて、英語のダメなオレは英語字幕追っかけるのに苦労させられる事です。今作なんか台詞のたびにいちいちポーズして確かめてたので観終るのに1週間掛かった……。とはいえそんな苦労をしても先が気になる優れたドラマだったことは間違いありません。

物語はダメダメ弁護士ジョリー(アクシャイ・クマール)が警官に殺された夫の事件についての弁護士を探していた女性からお金を騙し取っちゃう所から始まります。事件究明の望みを絶たれた女性は自殺してしまい、 ジョリーは法曹会からも追放されかかります。良心の呵責に押し潰されたジョリーは事件の真相究明に乗り出しますが、そこには官憲たちの闇と辣腕弁護士プラモード(アヌ・カプール)が大きく立ちはだかるのです。

コメディタッチで始まる物語ですが、それは初番だけで後はどんどんシリアスな展開が続いていきます。やはり見所は法廷シーンで、青二才のジョリーが口八丁手八丁の弁護士プラモードに徹底的に追い詰められ叩き潰されながら、それでも僅かな糸口から真実を見つけ出そうと地を這いずり回るかのように尽力する様がとにかく熱いんです。それと併せ堕落した警官たちが証拠を握り潰しあまつさえジョリーの命さえ狙ってきます。文字通り命懸けの裁判にジョリーは勝つことができるのか、と始終ハラハラさせらながら物語を見守ることになるんですね。

もうひとつの見所は今件を取り仕切る裁判長トリパティー判事(ソウラーブ・シュクラー)の非常にユニークなキャラクターでしょう。お茶目でひょうきんでとてもユーモラスな判事ですが、時々「やる気あるんかいな」と呆れさせられることもしばしば。しかしそんな一見ゆる~い態度を見せながら、ここぞという時にはピシッと鋭い判断を覗かせるんです。裁判の仕方も実に破天荒で、後半には「今までこんな法廷ドラマがあっただろうか!?(あんまり観て無いけど)」と思わせるびっくりさせられる場面まで飛び出します。

こんな具合に、経験足らずを意気で乗り切ろうとするジョリー、海千山千の狒々爺プラモード、ハチャメチャ判事トリパティーといった、千差万別のキャラクターが法廷でぶつかり合い、その中から少しずつ真実の光が見えて来る様がとてもエキサイティングな、非常に優れたドラマでした。 

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伝説のスパイ、タイガーが帰ってきた!/ 映画『Tiger Zinda Hai』

Tiger Zinda Hai (監督:アリー・アッバース・ザファル 2017年インド映画)

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伝説のスパイ、タイガーは生きていたッ!?2012年に公開され大ヒットを飛ばしたインド映画『タイガー 伝説のスパイ』の続編が登場です。主演はもちろん前作と同じくサルマーン・カーンとカトリーナ・カイフ。監督は『Mere Brother Ki Dulhan』(2011)、『Gunday』(2014) 、『Sultan』(2016)のアリー・アッバース・ザファル。

前作をさらっとおさらいしてみましょう。主人公はインド諜報局RAW最強のスパイ、タイガー(サルマーン・カーン)。そんな彼は新たなミッションの最中、強烈な恋に落ちてしまう。しかし愛した相手ゾーヤー(カトリーナ・カイフ)は、実はパキスタン情報部ISIのスパイだった!許されない逃避行を決意した二人を祖国の追手が執拗に追い掛ける。果たして二人の運命は!?……というもの。

というわけで今作『Tiger Zinda Hai』です。物語の舞台となるのはイラクの架空の都市イクリット。狂信的イスラム過激派組織ISCの指導者アブー・ウスマーンと戦闘員たちが病院に立て籠もった。人質はインドとパキスタンの看護婦40人。だが、テロ集団殲滅を目論むアメリカは空爆を仕掛けることを決定。アメリカの冷酷な決断に、RAWは7日間の猶予を求める。そして事件解決のために、8年間姿を消していたあるスパイに指令が下った。その男の名は、タイガー。

面白かったああああ!!!いやー最初「カップルになったインドとパキスタンのスパイがいったい誰と戦うの?」と思ってたら今度の敵がテロリストだったのでさもありなんって感じでしたね。このテロリストというのがイスラム教過激派で黒装束でデカイ旗を掲げてる、どう見ても例のISISなんですよね。そしていかにもISISってな残虐さを持ち合わせていて、人質にオレンジのつなぎを着せて処刑するところをネット放送する、なんていうのも一緒ですね。ISISを元にしたテロリストを映画に登場させたのってハリウッド映画を含めてもこの映画が一番早いんじゃないのかなあ?

そんなテロリストに拉致されたインド・パキスタン双方の人質救出ミッションを、その両国の諜報組織が共闘して行うというのも、現実の政治世界では仲の悪い両国の平和共存を訴えててよかったですね。インド映画って、こういった政治世界のみならず平等や友愛といった理想主義を衒いなく描けるから実はとても健全だなあと思えるんですよ。可笑しかったのはインド・パキスタン双方の諜報員が初顔合わせした時にパキスタン側が「サニー・デーオールのGadarがー」とか言ってたことで、これはデーオール演じる主人公がパキスタン兵をぶち殺しまくるトンデモ映画『Gadar: Ek Prem Katha』を指しているんですが、こういった自己批判的な部分にも健全さを感じました。

 そしてなにしろ映画の主役、サルマーン・カーンとカトリーナ・カイフです。インド映画にあまり馴染みの無い方に紹介してみると、サルマーン・カーンはアサルトライフルの似合うこんな激シブのスター俳優で、日本では『ミモラ 心のままに』 (1999)、『ダバング 大胆不敵』(2010)の公開作があります。

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カトリーナ・カイフRPGの似合うこんな激マブの美人女優です(いいのかこんな紹介の仕方で)。日本では『命ある限り』(2012年)、『チェイス!』(2013年)の公開作があります。

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二人が演じるタイガーとゾーヤーは、お互いスパイとしての最高のスキルを兼ね備えており、どんなに危険であろうとその中に果敢に飛び込み、常に対等に渡り合いながら事態に対処してゆきます。男だから女だからといった部分の無いこの"対等さ"がとてもいいんですね。映画の中で何度か演じられる、一方が危機なら一方が疾風のように駆け付けてこれを助けるといったコンビネーションの良さは、まさしく最高のパートナー同士だと感じさせることでしょう。

タイガー役のサルマーン・カーンは久々のアクション作を惚れ惚れする様な男臭さで演じ切り、「あのマッチョでタフなサルマーン兄ィが帰ってきたッ!!」と実にワクワクさせられましたね。キメキメのスローモーション・シーンはもとより、ガトリング砲ぶっ放すシーンなんてもはや『ランボー』状態ですよ!オレなんて「みんな殺っちまっておくれサルマーン兄ィ!」と画面に声援送ってましたよ!なんの脈暦もなく上半身裸になっちゃうシーン(そしてその後は何故か着てる)とかファンとしてもう悶絶モノですよ!一方ゾーヤー役のカトリーナ・カイフもまた驚くほど素晴らしいアクションを連発し、『Bang Bang!』(2014)以来の最も素晴らしいアクトを見せてくれたのではないでしょうか。

世界の映画レベルで見ても全く遜色のないガチで直球な娯楽アクション作品として完成している今作ですが、逆に前作で見られたユーモアやロマンス要素は後退しており、前作ファンにはその点が物足りないという批評もあるようです。しかし自分はむしろ今作のハードな作りの方にハマれましたね。こういった作りになった背景には、1作目の後に世界規模でヒットしたインド・アクション映画『チェイス!』があったこと、『Holiday - A Soldier Is Never Off Duty』(2014)、『Baby』(2015)、『Phantom』(2015)といった生々しい対テロリズム映画が作られてきたこと、そういった作品の後にヒットが望め、さらに今日的なスパイ・アクション映画を作るには?と考えられた結果なのではないか、と思えましたね。

そんなわけで『Tiger Zinda Hai』、インド映画がどうこういう以前にド派手で熱くなれるアクション映画がお好きな方ならきっと楽しめる作品なんじゃないでしょうかね。いやーこれ、日本で字幕付きで公開してくれないかなあ!

■サルマーン・カーン出演作品
タイガー 伝説のスパイ [DVD]

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ダバング 大胆不敵 [DVD]

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カトリーナ・カイフ出演作品
命ある限り [DVD]

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最近聴いたエレクトロニック・ミュージックやらなにやら

■Auratones / Deepchord

Auratones

デトロイト出身の鬼ダブテクノ・プロデューサーRod ModellことDeepchordによる2年ぶりの新作。なんでもスタジオが洪水で浸水し、機材がダメになってしまったのらしく、ここ暫くは資金調達の為か2000年以前の音源やライブを大量にリリースしていたが、ここに来てやっと新作製作の足場が出来たのらしい。そしてようやく届けられた『Auratones』は、これまでリリースしてきた自らのダブテクノ・サウンドをさらに前進させ、よりダイナミックで疾走感に溢れた作品となっている。言うならばこれまでが暗く冷たい深海を流れる茫漠とした潮流の如きサウンドだったものが、突風に吹かれ波飛沫を上げる巨大な波頭の如きサウンドへとなっているのだ。Deepchordはオレのお気に入りのユニットだが長年追いかけていてると同じダブテクノに思えながら徐々に進化していることを確かめられて面白い。今作も傑作。【試聴】

Auratones

Auratones

 

■Dubs / Jay Glass Dubs

Dubs

Dubs

 

ギリシャ人プロデューサーDimitris Papadatosによるユニット、Jay Glass Dubsによるダブテクノ・アルバム。ズブズブ。 【試聴】


■Death Valley Oasis / D33J

デス・ヴァレー・オアシス

デス・ヴァレー・オアシス

 

LA出身のアーチスト、D33J(ディージ)のアルバムはギター、アナログシンセ、フィールドレコーディング、テープ編集を駆使した実験的かつメロウなエレクトロニック・サウンド。 【試聴】


Flashbacks 1992 - 1998 / Acid Jesus

FLASHBACKS 1992-1998

FLASHBACKS 1992-1998

 

Alter Egoの別ユニット、Acid Jesusの1992年から1998年にかけての活躍をコンパイルしたアルバム。アシ~~ッド!! 【試聴】


■Love Songs: Part Two / Romare

Love Songs: Part Two [輸入盤CD] (ZENCD234)_337

Love Songs: Part Two [輸入盤CD] (ZENCD234)_337

 

 ロンドンを拠点に活躍するハウス・プロデューサーRomareのソウルフルかつサイケデリックな2nd。【試聴】


■Playground / KiNK

Playground -Digi-

Playground -Digi-

 

 ブルガリアのStrahil VelchevによるKiNKの2ndはダウンテンポからミニマルテクノ/テックハウスまで多彩な引き出しを見せつけるフロア向けダンス・トラック・アルバム。 【試聴】

■Fabric 96: DVS1 / DVS1

Fabric 96: Dvs1

Fabric 96: Dvs1

 

Fabricの96番は米ミネアポリスで活躍するテクノ・プロデューサーDVS1によるクール&ハードなテクノ・ミックス。【試聴】

 

■Aquafusion / A Vision Of Panorama

Aquafusion

Aquafusion

 

 A Vision Of Panoramaの1stアルバムはバレアリックな暖かさと和みに満ちたリラクゼーション・ミュージック。ゆったりー。【試聴】


■Vibrant Forms III / Fluxion

VIBRANT FORMS III

VIBRANT FORMS III

 

ギリシャ人アーチストFluxionの新譜はガッツリとハードなダブテクノ・アルバム。ズブズブ。 【試聴】


■Grow / Calibre

Grow

Grow

 

 アイルランド出身のベテランDnBプロデューサー、Calibreの新作はDnBのみにとどまらないテクノ/ハウス/ベース・ミュージックを縦横に横断したエレクトロニック・ミュージック・アルバム。 【試聴】


■Cigarettes After Sex /Cigarettes After Sex

テキサス州エルパソで結成された話題のドリーム・ポップ・バンド、Cigarettes After Sexの1stアルバム。深夜の森の中に浮かび上がる鬼火のように幽玄な演奏をバックにまるで女性のようにシルキーな男性ヴォーカルが淡々と歌われる暗く静かでロマンチックなバンド・サウンド。【試聴】

■Derelicts / Carbon Based Lifeforms

Derelicts

Derelicts

 

スエーデンアンビエント・デュオCarbon Based Lifeformsのニューアルバム。非常にエモーショナルかつメロディアスなそのサウンドはアンビエントというより架空の映画のサウンドトラックのよう。 【試聴】

■Onda / S Tone Inc with Toco & Friends

イタリアのエレクトロニック・ミュージック・ユニットS Tone Incがブラジリアン・アーティストTocoとその仲間たちをフィーチャーして製作された和みのブラジリアン・チルアウト・ミュージック。【試聴】


■Modern Latin Jazz / Gerardo Frisina

Modern Latin Jazz

Modern Latin Jazz

 

 イタリア・クラブジャズ・シーンで活躍するGerardo Frisinaのニューアルバム。クラブ・ミュージックとジャズ、ラテン音楽をクロスオーバーさせた心地いい2枚組。 【試聴】


■Kelly Lee Owens: Extended Version / Kelly Lee Owens

ケリー・リー・オーウェンス -エクステンデッド・エディション- (KELLY LEE OWENS -EXTENDED EDITION-)

ケリー・リー・オーウェンス -エクステンデッド・エディション- (KELLY LEE OWENS -EXTENDED EDITION-)

 

サウス・ロンドン在住のシンガー/ソングライター、エレクトロニック・プロデューサーKelly Lee Owensが2017年3月にリリースした1stアルバムのエクステッド盤。ビョークとアーサー・ラッセルから大きな影響を受けたというエクスペリメンタルなエレクトロニック・サウンド。 【試聴】


Cocoon: Nastia & Einzelkind In The Mix / Nastia/Einzelkind/Various

いつものCocoonのMixコンピ。安定のクオリティ。 【試聴】


■Bring On The Sun/Sun Gong / Laraaji

Bring On The Sun [輸入盤 / 2CD] (WAST054CD)_500

Bring On The Sun [輸入盤 / 2CD] (WAST054CD)_500

 

 爪弾く音は全て桃源郷という世界的アーティスト、Laraajiのニューアルバム。美しくもまた高雅なその音はもはや説明無用であろう。けどオレにはちょっと高雅すぎたかな。【試聴】


■Phantom Brickworks / Bibio

Phantom Brickworks [解説付 / 500枚限定生産 / 特殊パッケージ / 国内仕様輸入盤CD] (BRWP290)

Phantom Brickworks [解説付 / 500枚限定生産 / 特殊パッケージ / 国内仕様輸入盤CD] (BRWP290)

 

イギリス人プロデューサーBibioのニューアルバムは静謐極まりないアンビエント・ドローン作品。もう静かすぎてお通夜みたいです。 【試聴】


■Hold / Escapism Refuge

Hold

Hold

 

南アフリカダブステップ・プロデューサーEscapism Refugeの新作はパーソナルかつリリカルなアトモスフェリック・サウンド。 【試聴】


■Escapism 4 / Various

Escapism 4

Escapism 4

 

 オランダのLiquicity Recordsからリリースされたリキッドファンク系D&Bコンピ第4弾。メロディアスな曲調を持つリキッドファンクはオレの好みだなあ。 【試聴】

 

ゲームは買ってるんだが実は全然やれてない。

ついこの間ニンテンドースイッチスーファミミニを手に入れたと喜んでいるオレなんですが、実はここ最近、というか1年近く、まともにゲームやれてません。調べてみると去年オレのブログで紹介したゲームはなんと『Injustice2』たった1本きりです。 

やれてないのはねー、まあ仕事が忙しかったり他にやらなきゃならないことがあったり逆になにもしたくなかったりで、ゲームに時間割く気力が湧かないからなんですよー。もうこりゃゲームも引退かなあ……と思いつつ、やはりネットで新作ゲーム記事見かけるとワクワクするし、なにしろスイッチとスーファミミニは欲しかったなんてこともあるし、そもそもブログに書いてないだけでチマチマとゲームは買ってたんですけどね。でもやれてない。もうねー、片付けたいことを片付けるために休み1ヶ月ぐらい欲しいですよ。仕事なんかしてる場合じゃないんだオレは!(おいおい)

そんなわけでここ1年で買ったはいいけど全然やれてなかったゲームのことを告白してみましょう。

■PRAY (XboxOne)

やれてない、とか言いつつ去年一番遊んでいたのがこのゲーム。「宇宙ステーションが謎の生命体に襲われ乗員が殆ど死亡した中、主人公が生き残るため戦う」というこのゲーム、最初は『Dead Space』みたいなTPSだと思ってたんですが、やってみるとむしろ『バイオショック』みたいなRPG要素の強い肉体改造系ゲームだったんですな。もうこれが序盤から凶悪な難易度で、グラもそんなに綺麗な訳じゃないし、「クソゲーだあああ!」とぶん投げかかったんですが、ある突破口を見つけてから自キャラの強化が楽しくなり、あんなに凶悪だった敵も楽勝で倒せるようになってから勢い付きましたね。しかし逆に面白くなってきたばかりにストーリーコンプリートを目指してしまい、多分もう終盤なんですが全然クリアできてないんですよ。まあなにしろ2017年で「コレ!」というゲームならこの『PRAY』ですね。

ワンダと巨像 (PS4)

ついこの間出たばかりのソフトなんですがね、実はこれのPS2版、買ったけど序盤でどうでもよくなって全然やんなかったんですね。そんなゲームのリメイクをなんでまた買ったのかというとええと、なんだかフラフラと……。しかしこれ、やり直してみるととても面白いしよく出来ているのは分かりました。ただ、巨像が全部で16体いるらしく、これ全部倒すのかー1体当たりの戦闘時間長いんだよなー途中で中断できないんだよなーと思うとなんだかやる気が……。

アンチャーテッド 古代神の秘宝 (PS4)

アンチャーテッド』のスピンオフ作品なんですが、最初しかやってないけど絶対これはクリアしてみせますよ!やる暇があれば!やる暇が……あれば……。

コールオブデューティーワールドウォーII  (PS4)

発売されたらとりあえず惰性で買っているCoD、この新作も買いました。今度はWW2かーいやー今更な気もするけどなーと思いつつやってみるとこれが結構ハマりまして、前作の未来戦よりも感情移入できますね。これは中盤まではやってるんで気合さえ入ればきっとクリアまで漕ぎつけるんじゃないかと……。

 ■ディスオナード2 (PS4)

前作である『ディスオナード』はクリアしてたんですが、面白かったものの少々キツかったのとマルチエンディングがゲンナリさせられたのとで印象良くなかったんですがね。で、その『2』を、なんでまた買ってしまったのか、いやー全然記憶が無いんです……。

■ウィッチャー3 ワイルドハント ゲームオブザイヤーエディション (XboxOne)

ゲーム界騒然の完成度の高さで有名なRPGゲームなんですが、評判の良さは知ってたけど多分クリアに100時間とか掛かるんだろうなあーと思うと全くやる気になれなくてね。でもコミック版の『ウィッチャー』読んだら妙に興味が湧いて魔が差してしまいついつい買ってしまったんですが、序盤やっただけでも優れた世界観がしっかりと伝わってきてとても面白い。本当に微に入り細に穿ち作り込まれている。確かにこりゃスゲエ。 ……ということを確認できたからもういいかな、と思っちゃったんですけど……。

■マフィア III (XboxOne)

これねー、「60年代アメリカンロックがガンガンにかかるノワールアクション」ということでついつい買っちゃったんですけど、オレ、オープンワールドってそもそも苦手で(買う前に気付けよ)、最初の2,3分やっただけで「ああこんなのね」とか言って止めてしまったという……。

バイオハザード7 レジデントイービル (PS4)

バイオもねー、なんかこう、システムやグラが刷新されながら演出自体は古臭いというか、そもそも「演出」なんかが存在するゲームそれ自体が古臭いというか、とりあえずやってみたけど途中でイヤんなってしまって止めちゃいましたねー。まあ単にオレが根性無いだけの話なんですけどね。

気分のいい日はトーキング・ヘッズを聴いている。

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音楽はその時々の気分でいろんな音源をとっかえひっかえしているオレだが、最近気分のいい日はトーキング・ヘッズをよく聴いている。

トーキング・ヘッズ、1974年~1991年に活動していたニューヨークのポストパンク/ニューウェーヴ・バンドだ。当時自分もニューウェーヴ系のバンドソングをよく聴いていたが、このトーキング・ヘッズは自分にとっては異色のバンドだった。

なぜなら、自分は昔っからブリティッシュ産のロック・ミュージックしか聴かない人間で、アメリカ産のロックを聴くのは稀だったからだ。多分自分は、ブリティッシュ・ロックの持つ、暗く美しく鬱蒼としたメロディが好きだったからなのだろうと思う。

だからニューヨークのバンド、トーキング・ヘッズの音楽が面白く聴けたのは自分でも意外だった。アメリカのバンドでそれ以外で好きだったのは、あとはザ・ドアーズとディーボぐらいかもしれない。

トーキング・ヘッズは何から聴き始めたのかよく覚えていない。1980年発表のアルバム『リメイン・イン・ライト』からだったかもしれない。当時イーノのプロデュースのもとニューウェーヴにアフリカン・リズムを導入し、相当話題になったアルバムだ。

リメイン・イン・ライト<紙ジャケットSHM-CD>

リメイン・イン・ライト<紙ジャケットSHM-CD>

 

しかしこのアルバムは確かに相当よく出来ていたのだけれども、トーキング・ヘッズというバンドそのものにハマるということは無かった。

その後「史上最高のロック映画のひとつ」と呼ばれるトーキング・ヘッズのコンサート・ドキュメンタリー映画ストップ・メイキング・センス』が公開され、同名アルバム共々またまたトーキング・ヘッズは話題となった。なにしろ当時あの辺の音楽が好きな人の界隈では相当流行ったアルバム&映画だった。オレもアルバムを買ったし映画も観に行った。実はオレも流行りモノに弱い人間だったのである。

 という訳でオレも10年来のファンみたいな顔をしながらその後もトーキング・ヘッズの新作アルバムを買い続けたのだが、実はこれがどれも、あんまり面白くなかった。それよりも、『ストップ・メイキング・センス』よりも以前の1982年にリリースされたライブ・アルバム、『The Name of This Band is Talking Heads』が、これまで聴いた彼らのアルバムの中で一番楽しめたのだ。

Name of This Band Is Talking Heads

Name of This Band Is Talking Heads

 

このアルバムはCD2枚組となるが、Disc1に1977年から1979年にかけてのライブを、Disc2に1980年から1981年にかけてのライブが収められている。このうち、バンド結成当時のライブが収録されたDisc1が特にお気に入りだった。

なんだろう、完成された『ストップ・メイキング・センス』と比べると、デビュー当時の、まだまだ荒っぽく生々しさの残るトーキング・ヘッズの曲とその演奏のほうが、彼らの【核】ともいうべきものを温存しているように感じるのだ。

トーキング・ヘッズというとデヴィッド・バーンのあの「潰される寸前の鶏の絶叫」みたいなヴォーカルが特徴的だが、初期の音源ではそのヴォーカルがより狂気のこもった調子っぱずれぶりを見せているのである。トーキング・ヘッズはもともとニューヨーク・パンクから派生したグループだが、その名の通り実にパンク的なのだ。

ただし、デヴィッド・バーンのパンクは、リビドーを持て余したティーンエージャーが暴走してみせるパンクではなく、ひ弱ないじめられっ子がブチ切れた時に見せるであろう、どこか滑稽で残念な暴発の仕方なのだ。そう、トーキング・ヘッズとは、ブチ切れたインテリ=デヴィッド・バーンが白目を剥き内股で「ムッキー!!!」と絶叫する、その情けない姿を意識的にパフォーマンスしてみせるバンドだったのはないかと思うのだ。

そのぐねぐねとひねくれたカッコ悪さがこのバンドの本質であって、『リメイン・イン・ライト』後のトーキング・ヘッズデヴィッド・バーンは「こんなシャレオツなオレッちはもうロック殿堂の仲間入りだし」とカッコつけ始めたから駄目になったんだろうと思う。

そんなわけで、デヴィッド・バーンがまだまだカッコ悪くて狂いまくっている『The Name of This Band is Talking Heads』がなにしろ楽しい。この音はカッコ悪くてあまり真っ当な社会生活者ではないオレの心にとてもフィットする。そしてトーキング・ヘッズ屈指の名曲『Psycho Killer』を聴きながら、デヴィッド・バーンと一緒に「おーほーほーほー!あいあいあいあいあいあい!!!」と絶叫するのである。こうしてオレは気分のいい日、トーキング・ヘッズを聴いているのだ。


Talking Heads - Psycho Killer (1977) HQ