まあ要するに「あれも23、これも23!オデは23に呪われているんだぁああぁぁ〜」という
基地外の話だというだけのことである。しまいには何が何でも23という数字にしなければ済まないような強引な計算もあったりするのだが、
基地外のやることだから仕方ないのである。数字や文字に有り得ない理屈をこじ付け、さも深い意味があるように妄想するのは
数秘術だの
カバラだのの歴史があるし、買い物メモを歴史の裏に隠された世界的な陰謀と誤読して大騒ぎする『
フーコーの振り子』なんていう小説もあったりするが、これは言葉には神のワザが宿っているとする
キリスト教史観があるからなのかもしれない。なんて分析もしてみたが、だからといってこの映画がしょうもない映画であることは動かしようが無いのも確かである。クライマックスの謎解きは穴だらけで白けたなー。ただ作品の感触は、訳の分からない不安が時系列を超えながら延々と描かれる『
ジェイコブズ・ラダー』あたりを思わせて、実はそれほど嫌いではなかった。