花輪和一初期作品集 / 花輪 和一

花輪和一初期作品集

花輪和一初期作品集

因業!耽美!鬼畜!嗜虐!汚辱!漫画『刑務所の中』で知られる花輪和一の初期作品集は、丸尾末広を思わせる血塗れのグランギニョル日野日出志を髣髴とさせるおぞましい恐怖に溢れた異様な作品集である。デッサンも描線も構図も歪み、そのバランスの崩れた不気味な絵でもって描かれた醜悪極まりない狂った物語は、作者花輪和一の執筆当時の精神的混乱と錯乱の様をうかがい知ることができる。作品の殆どはSM雑誌に掲載されていたというが、どの作品からも血と汚物の腐敗臭が漂って来そうだ。

なにしろもうタイトルからしてドロドロである。『肉屋敷』『怨乳』『怨獣』『赤ヒ夜』『猟人』『豚女』『塗込め蔵』。さらに『復讐とかげ女』だの『醜悪ゴキブリ男』だのになってしまうと、これはもうギャグとしかいいようがない。確かに物語も、陰惨というよりは単なる悪趣味であったり、マンガ作品の構造として狂っているものが殆どである。つまり壊れているのだ。だから臓物や糞尿を描きながらも、出来上がった作品はどこか馬鹿馬鹿しくてつい笑ってしまう。あまりにも狂っていると笑ってしまうものなのだろう。例えば『豚女』などはSM調教とスカトロプレイの話だが、「ブタブタブタぶたおまえはブタだブタ」などと連呼しながら折檻する様などは爆笑ものである。これだけイビツな作品ばかりなのにも拘わらず妙に読ませるのは、この独特のズッコケた感触があるからなのだろう。

70年代という最初期の頃に描かれたものなどは、作画や作話の稚拙振りに面食らうが、それでも十分狂った物語を描いていたりする。そういった意味では花輪和一マニアの為の作品集であり、他の作品を読んだ事のない方には小汚い絵の並んだ気色悪い本でしかないので絶対にお薦めしない。ただしファンであれば、内容的には以前出版されていた単行本『赤ヒ夜』とだぶる作品も数作あるが、未発表作品も数多く読めるこの本は是非コレクションに入れるべきだろう。この人の作品は相当歪んでいるが、それを昇華して行こうとする奇妙な前向きさがあり、そこがまた凡百の鬼畜作家と違う所なのかもしれない。

※決してギャグマンガではありません。


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『笑ってはいけない』シリーズもこれで4回目だとか。相変わらずと言っちゃ相変わらずで、前回と似たような展開だという声もあるが、オレにとってはお気に入りのシリーズである。検死官に扮した西川史子が温水を弄繰り回すのが一番ツボだったかな。オレも西川史子にいたぶられたい、とちょっと思ってしまったのは別の意味でヤヴァイだろうか。しかし罰ゲームで一番凄かったのはやはり一番最初の24時間鬼ごっこだったな。あれはシュール過ぎた。あとDVD3枚目の、この罰ゲームの発端となった『タライアンルーレット対決』のほうが罰ゲーム本編よりも緊張感があって面白かったのはちょっと問題かと。去年の大晦日には『笑ってはいけないナース篇』が放送されたが、どんどん大味になっていくような気がするなあ。この辺でもう一回方向性変えるのもいいのではないかと。