- 出版社/メーカー: 角川エンタテインメント
- 発売日: 2008/01/13
- メディア: DVD
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言葉なき隣人 (監督:ジョン・ランディス)
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郊外の住宅地。甘ったるいゴスペル・ミュージックを聴きながら、今日もハロルドさんは地下室でお仕事だ。浴槽に突っ込んだ死体に薬品をかけて、白骨標本が一丁出来上がり!問題はそれが人間のものだということだな!おおっとお隣に若い夫婦が引っ越してきたじゃないか!これはオレ様のコレクションに加えなきゃだわ!ジョン・ランディスが監督する『言葉なき隣人』は、ちょっと猟奇な殺人鬼の行動を、ブラックなユーモアを交えて語る物語である。物語の感触はホラーというよりミステリや奇妙な味と呼ばれる作品に近いかもしれない。猟奇なハロルドさんは白骨に衣服を付けて家族を相手にするように語り掛けるのが趣味で、時々頭に殺人指令が届くという電波系の人でもある。そのハロルドさんと隣人夫婦の虚虚実実の駆け引きが可笑しい。ベテラン監督であるジョン・ランディスは、前回の『マスターズ・オブ・ホラー』シリーズで『ディア・ウーマン』という作品の監督を務めていたが、やはりどこかとぼけた雰囲気のあるホラーに仕上がっていた。今作『言葉なき隣人』はその前作よりは若干おとなしめの作りではあるが、相変わらずセンスの良い作りになっている。ラストはなんとなく予想が付くんだが、一応どんでん返しが待っていたりして、この辺の演出も上手かった。
ドリーム・クルーズ (監督:鶴田法男)
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一隻のクルーザーに乗り込んだ資産家(石橋凌)とその妻(木村佳乃)、そして外人弁護士(ダニエル・ギリス)。しかしそれは妻と不倫を重ねる弁護士を、海の藻屑へと葬り去る為の資産家の罠だった。さらにその惨劇の舞台で異様な霊の姿が蠢き始める…。監督の鶴田法男氏についてはよく知らなかったんですが、『ほんとにあった怖い話』や『学校の怪談』など、映画・TVで活躍している方みたいですね。作品のほうは日本で撮影されたもののようです。《マスターズ・オブ・ホラー》ではただ一人日本人である三上崇史が『インプリント〜ぼっけえ、きょうてえ〜』を監督し、好評を博しましたが、今回の《13 thirteen》もそれに引き続き日本人監督の登用となったようです。
ただこう言っちゃなんですが、最初の展開は火曜サスペンスでも見せられているようなしょぼさで、だいたいクルーザーに乗せて殺人を企むというのもどこか不自然だし、絵作りもいかにも日本的な撮影だなあという気がしてあんまり期待していませんでした。さらに弁護士のほうは幼少時海で弟を死なせたトラウマで、水を見るとしょっちゅう死んだ弟の幻影を見てしまう、という設定なんですが、霊がどうとか言う以前にそれって心の病気だろ。よく弁護士なんかになれたよなあ。不倫なんかしてないで病気治せよ。
しかし資産家が過去にぶっ殺したらしい女の亡霊が出てきてから一気に盛り上がってくれます!これがなんだかヌルヌルで緑色していて、『サイレントヒル』の化物みたいに気色悪い動きをしながら迫ってくるんだわ!「ひぇえぇ〜怖い!」とばかりに逃げ出す登場人物の皆さん!ってかなんで海に飛び込んじゃうんだ!?そっちのほうが命が危なくないか?しかしなんと亡霊は海の上を歩いて追ってくるではないか!?このシーンの恐怖演出は確かにおっかなかった!日本のホラーなんかだとごく当たり前の演出なのかもしれないが、やっぱりこのじっとり湿ったアジア型怨念の恐怖って毛唐には醸し出せないものがあるかもね。だから毛唐が観たらこれは相当怖かったりするかもしれないな。そういった意味では、物語や展開はイマイチだが演出が勝っていた作品ということができるかもね。
ちなみにアマゾンのリンクのDVDはオレの観たCATV版ではなく、それよりも長い88分の劇場版です。あの物語をさらに30分近く長くしてももっと面白くなるかどうかは謎だが。
■13 thirteenホームページ