中国SF作家による短編集『郝景芳(ハオ・ジンファン)短篇集』を読んだ

■郝景芳(ハオ・ジンファン)短篇集/郝景芳

郝景芳短篇集 (エクス・リブリス)

SFと詩的な視覚表現の融合。中国社会と現代都市の奇想天外な投影。ヒューゴー賞受賞「北京―折りたたみの都市」ほか、社会格差や高齢化、エネルギー資源、医療問題、都市生活者のストレスなど、中国社会を映しだす全7篇。

 「中国SF」と言えばやはりまず頭に浮かぶのはアメリカ系中国人SF作家ケン・リュウであろうし、そのケン・リュウが編纂した現代中国アンソロジー『折りたたみ北京』だろう。ケン・リュウの諸作がどれもSF小説の敷居を押し広げた斬新さを持っているのと同様に、アンソロジー『折りたたみ北京』も中国SFの持つ強力なポテンシャルを感じさせる斬新さに溢れた作品が並んでいた。

その『折りたたみ北京』に収録されていた作家の一人、郝景芳(ハオ・ジンファン)の単独短編集がこの度邦訳された。郝景芳はアンソロジーのタイトルともなった『折りたたみ北京』の作者で、この『郝景芳短編集』にも『北京 折りたたみの都市』とタイトルを変え新訳されている。訳出作品の少ない中国SFの一端に触れたくて読んでみることにした。

収録作は7編、まず『弦の調べ』の調べを紹介しよう。これは侵略SFだが、面白いのは地球を侵略する強力無比な異星人がなぜか地球の芸術を愛しており、クラシックコンサート会場は襲わない、という設定だ。これにより人類はあちこちでクラシックコンサートを行っているのだ。そして劣勢の人類はある反撃方法を思いつく、という作品なのだが、侵略SFとクラシック音楽という珍しい組み合わせで読ませる作品となっている。しかしなあ、音波は宇宙空間を伝播しないはずだがその辺どうなってるんだろ。

『繁華を慕って』は『弦の調べ』のもう一つの別の側面、いわゆる「Bサイド」を描く作品になっていてこういった構成がまた面白い。内容は音楽家を目指しながら才能に限界を感じるある女性の陥穽を描くものだが、この作品の辺りから「中国人生え抜きエリートの苦悩」といったテーマが作品の中に見え隠れするようになる。

『生死のはざま』はいわゆるSFプロパーな作品から離れ、夢とも現実とも付かない死後の世界を描くことになる。しかしその中に「時間と空間」の概念を持ち込むことによりSF的なまとめ方となっている部分に独特さがある。

『山奥の療養院』も同様に夢とも現実とも付かない朦朧とした世界を描き、どこかつげ義春作品の様な不安を感じさせさえするが、やはりこの作品にもSF的解法が用意されている。そしてこの作品からうっすら滲むのも「中国人生え抜きエリートの苦悩」だ。

『孤独な病室』SNSが中心となった社会への諧謔的な小作品、『先延ばし症候群』は論文作成に汲々とする学生を描くショートショート。この2作は習作といった趣の印象の薄さがあるが、創作における発想の一端に触れる事が出来ると言った点で作者の全容を掴む手助けとなる。

 さて巻頭作『北京 折りたたみの都市』に戻るが、やはりこの作品が最もSF作品としての奇想と批評性に溢れていて最も完成度が高くバランスのいい作品という事ができるだろう。社会格差を時間割で折りたたまれる階層都市といった形で可視化しそれぞれの社会に生きる人々の心情を鮮やかに描き切っている。これをして中国格差社会と見る事はできるが、同時に今現在世界に広がる社会格差を描いたものとして普遍性を獲得している。それにしてもこれ『新世紀エヴァンゲリオン』の折りたたまれる第三新東京市から着想を得たのかな、とちょっと思えない事もない。この作品はヒューゴー賞を受賞し映画化も企画されているという。

「中国人生え抜きエリートの苦悩」と書いたが作者である郝景芳自身もSF作家のみに留まらない多彩な才能を持って社会で活躍する人物なのらしく、その経歴を見てもこの「中国人エリート」が作者自身でありその心情吐露であることは想像できる。こういった、なかなか触れることの無い「中国人エリート」の心情とその苦悩、彼らの生きる世界を垣間見せると言った点で面白さのある作品群でもある。

それと、これはケン・リュウ作品を読んでも思う事だが、中国人作家による作品からは非常に透き通った、清流の如きエモーションを感じる事が出来る。それは「アジア的な」と言ってもいいと思うのだが、例えば中国映画などを見ても同様の事を多く感じるので、ある意味「中国的に抜きんでた」感性と言い換えられるかもしれない。古き歴史を持つ超大国なりの衒いの無さ、揺るぎない大らかさをそこに見て取ることができるのだ。そしてこの感性の在り方が同じアジア人として実に心にフィットする。この短編集は先端SFといったものではないが、中国SF独特の在り方を知る事が出来ると言った点で貴重な作品集だろう。

郝景芳短篇集 (エクス・リブリス)

郝景芳短篇集 (エクス・リブリス)

 
折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ 5036)

折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ 5036)

 

地球を宇宙の彼方に飛ばしちゃう!?ネトフリで中国SF『流浪の地球』を観た!

■流浪の地球 (監督:フラント・グォ 2019年中国映画)

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この『流浪の地球』、今年公開されたばかりの中国製作によるSF映画なんですが、なんと製作費に50億円にのぼる巨費を掛け、公開されるやいなや大ヒットを記録、興行収入がひと月で760億円を突破した、という作品なんですね。こんな作品がナント、ついこの間日本でもNetflixで観られるようになったというから凄いじゃありませんか!

で、いったいどんなお話かというとですね。

地球にロケットを山ほど付けて、宇宙の彼方に飛ばしちゃおう!というお話です。

 ……あ、いや、今一瞬、脳がフリーズしませんでしたかそこのあなた?「えーっと、ちきゅうをとばしてどうするの?」とあなたは思った事でしょう。あまりにもあまりな話にびっくりしますよね。

ある遠くない未来、太陽が赤色巨星化し地球を焼き尽くすことが分かってしまいます。この地球滅亡の危機を回避するため、世界は一致協力して巨大かつ遠大な計画を遂行します。それは地球上のあらゆる場所にロケット推進器を設置し、それにより地球ごと太陽系を離脱し4.3光年彼方の恒星系アルファケンタウリまで2500年掛けて飛ぼう、という計画だったのです。

 ……あ、いや、粗筋を読んだ後も脳がフリーズしませんでしたかそこのあなた?「え?え?ちきゅうのききだからちきゅうからだっしゅつするんじゃなくて、ちきゅうごとだっしゅつしてしまう、ってことなの?」そうです!そうなんです!SFってのは基本、大風呂敷拡げたホラ話のことなんですが、ここまで大風呂敷広げられると、あまりのスケール感で思考が一瞬ストップしちゃいそうですよね。

地球が軌道から離れる訳ですから地表は氷河期以上の寒波に襲われます。また、自転が止まる訳ですから慣性の法則により地表では大嵐と大津波が巻き起こり全てのものがなぎ倒されるでしょう。それを見越し、一部の選ばれた人間だけが地下都市に移り住みアルファケンタウリ到達まで生き永らえることになるのです。即ち、計画発動の段階で数十億人が死ぬことが既に想定されているという凄まじい計画でもあるんです。

まあしかしそれにしてもですね……地球を軌道から離脱させさらに一定の方向に推進させるためには、いったいどんだけの推力と、その推力を得るための装置と燃料が必要になるんでしょうか?そもそもその推進エンジンはどんなものなのでしょうか?地球ないし近隣の惑星・衛星の中から燃料等の原料となる資源は必要量得られるのでしょうか?さらに4.3光年=約40兆キロを2500年掛けて飛ぶ、というのは、どれだけの速度を出さねばならないということなんでしょうか?時速何キロになるの!?教えて計算の得意な人!

とまあ科学的に考えようとすると疑問だらけの設定なんですが、とりあえずそこんところはクリアしたと無理矢理思い込みましょう。で、家族がどうとかこうとかあれこれ生臭いドラマを盛り込みつつお話は進んでゆくんですが、中盤である危機的状況が訪れてしまうんです。それは、木星重力に地球が引き摺りこまれ、ロシュ限界を超えて地球が粉微塵になってしまうかもしれない!ということなんです!(ロシュ限界=主星の潮汐力によって衛星などが破壊される限界地点/潮汐力による破壊=ある物体が別の物体から重力の作用を受ける時、その重力加速度は、重力源となる物体に近い側と遠い側とで大きく異なる。これによって、重力を受ける物体は体積を変えずに形を歪めようとする*

えっとですね……この「木星引力による地球の捕獲」という危機的状況がこの物語の大きなハイライトでありドラマとなるんですが、それにしてもですね……地球を他の恒星系まで飛ばしちゃうような科学力を持ってるくせになんで木星重力に捕獲されないような軌道計算もできなかったんだ?そもそも相当の推力であろうから木星重力程度に捕獲されえるのか?と思っちゃうんですけどね。まあしかし地球ってデカイから簡単に軌道計算って言っても難しいのかなあ……というかそもそも話に無理がありすぎるんだよ!

それともう一つ。太陽が赤色巨星化したとしたら今より170倍ぐらいの大きさになり、金星軌道辺りまで飲み込んじゃいます。でも地球を動かす科学力があるんなら、生存に適する温度が得られる軌道まで動かせばいいだけなんじゃないでしょうか?あと火星移住でもいんじゃね?まあ何をやるにしても地球上の生命が殆ど死に絶える事だけは確かですけどね(あと木星軌道近辺まで太陽から離れているのになぜ地球の地表があんなに明るいんだ?それと推進の段階で地球の大気は全て失われてしまうんじゃないかな)。

さらにもうひとつ、もっと決定的な話なんですが、数十億人が最初の段階で死ぬことが確定しており一部の選ばれた人間だけが生き残るというのであれば、別に地球動かさなくても地球動かせる科学力と資源で恒星間宇宙船作ってそれに生き残りの人間乗せて飛ばしたほうが早くね?

まあゴチャゴチャ書きましたが、オレは理系とかそういうのでは全く無く、SF小説で得た貧弱な科学知識だけしか持ち合わせていないので、相当間違ったことを言ってるとは思います。とはいえ、この映画のトンデモな科学設定よりはましじゃないかと思うんですけどねえ。誰か科学に強い人もっときちんとしたツッコミをしてください!(原作者の劉慈欣は中国国内外でも有名なSF作家で、オレも一篇だけハードSFな短編を読んだことがありますが、科学設定はしっかりしており、映画のほうが話を膨らませるために設定をおざなりにしてしまったのではないかと思われます)

とはいえですね。ここまで文句を言っといてなんなんですが、映画『流浪の地球』の醍醐味は、やはりとんでもない(あまりに馬鹿馬鹿しい)大風呂敷をヴィジュアルで見せてしまった、という事にあります。ある意味やったもん勝ちということでもあります。細かい事を言ってちゃあこんなとんでもない映画作れませんよ!特撮もCGIもハリウッド作品と比べて何の遜色もありません。SFファンならこのヴィジュアルに大いに燃える事でしょう。人間ドラマは湿っぽくてベタベタだし若者のキャラクターは軽くて辟易しましたが『ドラゴン×マッハ!』『ウルフ・オブ・ウォー』のウー・ジンが出演していたのでよしとしましょう!そういった部分で一見の価値のある映画だし、こんなトンデモさも含めて楽しむことができる作品なんじゃないでしょうか(とりあえず最後はフォロー)。

 

GWカピバラ旅行:雨降りの那須どうぶつ王国篇!

この連休は相方さんと二人、またもやカピバラを見に!「那須どうぶつ王国」へ行ってきました!

とはいえ、10連休の半分を悪天候に悩まされていたこのGW、出掛けたこの日も結構な雨降りだったうえに山の上にある動物園という事もあって気温が10度を下回り、なんだかサバイバルしに行っていたかのようなキツさではありました。いやーだって新幹線の切符とっちゃったから、行かざるを得なかったんですよ!まあしかしこんな日もある!気温が低いのは下調べしてあったのでこの日はダウンと帽子と手袋まで装備して出掛けました!

さて動物園に入り脇目も振らずカピバラたちのいる「カピバラの森」へと突進するオレと相方さん!そして、いました!寒いので全員温泉の中と周辺で群れています!

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カピバラバンバンバン♪ハビバロンロン♪」

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「いい湯だなあ-!」

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「お風呂一杯過ぎて入れないよう」

とりあえずカピバラの姿を見て安心したのでレストラン「ヤマネコテラス」に行きちょっと早いお昼ごはんにしました。この日注文したのは「ヤマネコランチ」!とっても美味しかったなあ。

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「ヤマネコランチ」を食べ終えたのでこの動物園にいる山猫であるマヌルネコを見に行く事に。そして、いました。雨が降っているせいでしょうか、とってもご機嫌斜めの表情を浮かべ微動だにしません……。

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「雨降って寒いニャー」
うむむ、不機嫌過ぎて雨を睨みつけているマヌルネコさんです。
気を取り直して再び「カピバラの森」へ。おや、さきほどお風呂待ちだったカピさん、ようやく場所が空いて中に入れそうです。

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「失礼しますよ失礼しますよ」

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「ぶっはー!!」

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「そこの人間も一緒に入るかい?」

他の動物たちも眺めてきましたよ。

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は!?そういやマヌルネコさんは今いったい!?

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「鬱陶しいニャー」

やっぱり定位置のまま雨を睨んでいます……。

お昼過ぎには「キャットショー」もやっていたので観てきました。

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みたび「カピバラの森」へ。

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そろそろお風呂から出てきたカピも何頭かいます。

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お風呂に入り、さらになでられて、気持ちいい事づくめのカピ。

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カピさんたちにご飯の笹を与えるオレ。後ろには順番待ちのカピさんが……。

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でも外はやっぱり寒そうでしたね。

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なにしろ雨の中、ずっと外にいると寒いし風も強いし、3時ごろにはオレも相方さんもすっかり疲れてしまいました。でも帰りの送迎バスは5時だし、まだ時間もあるからどうしよっかね?ということで、二人で「温泉に入ろう!」ということに。

なんとこの「那須どうぶつ王国」、園内に温泉があるんですよ!入湯料は500円、タオルの貸し出しが200円だったかな?温まるし休憩にもなるだろう、と入ってきました!

この日はそんなに混んでおらず伸び伸びと温泉に浸かれましたね。温泉施設の上には結構広々した休憩所もあり、ここでちょっと横にならせてもらいました。これはその時食べたソフトクリーム。

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休憩所でのんびり寛いで、そろそろ時間も時間だから帰ろうかという事に。最後にまたもや「カピバラの森」へカピさんたちにお別れの挨拶をしに行きました。すると、カピさんたちも寝床に帰りたくてカピ舎前に集合してスタンバッてましたね。

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そういやマヌルネコさんは……!?

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「結局一日雨ニャー!」

ああ!やっぱり定位置で不機嫌そうにしていました!
そんなマヌルネコさんのグッズをたくさん買ってしまいました。

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そんなこんなでこの日はお開き。帰ってから2リットルサイズのビールを飲んで打ち上げしました!

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そんな訳で「GWカピバラ旅行:雨振り那須どうぶつ王国篇」の終了となります。今度は雨降りじゃない時に行きたい!

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「また来るといいヌ~ン」

(おしまい)

ゴールデンウィークの反省:今年は10連休!?

という訳で今年のゴールデンウィークの反省なんぞを致したいと思います。なんといっても今年は10連休!?前代未聞の休みの長さに気が遠くなりそうでしたね。大人になってから夏休みや正月休みでもこんなに休んだこと無いですよ。まあ20代の頃ニートだったんで、バイトしないでぶらぶらしてたこともありましたが、あれは休みではなく単なる無職状態!

長期休暇ってんならどこか遠くに旅行でもとは思ったんですが、オレの相方さんが仕事の忙しい人で、この連休に全部休めるのが分かったのが2週間ぐらい前、そこから旅行の予定を立てようとしたんですが、この段階でどこの観光地のホテルも満杯、ないしはGW料金という事で宿泊費が2倍3倍になってたりしていて、馬鹿馬鹿しいので止めました。

そんなわけで結局近場でプラプラしてたんですが、いやーやっぱりどこも混んでたし、おまけに連休前半は天気が悪くて、出掛けたけれども結構大変でしたね。連休後半は部屋でダラダラしてました。ではちょっくらどんな毎日だったか並べてみましょう。

 

4月27日(土)

実はこの日は出勤で、ホントはオレの連休って9連休なんですよね。連休前ってことで仕事が溜まりまくって出勤せざるを得なかったんですが、連休後の仕事も溜まりまくっており、なんかもーエライ事になってます(脳死)。仕事は3時頃にひけて、この後散髪したりクリーニング屋に冬物出しに行ったりしてましたね。

4月28日(日)

やっと休みに入ったのでこの日はかねてから楽しみにしていた『アベンジャーズ/エンド・ゲーム』を観に行きました。面白かったなあ!帰りはビール飲みながら海苔巻きつまんだりしていました。f:id:globalhead:20190505081021j:plain f:id:globalhead:20190505081012j:plain

4月29日(月)

この日は横須賀まで海軍バーガー食べに行きました。というのは、この連休は最初長崎に行こうと考えてたんですが頓挫してしまい、リベンジってことで佐世保バーガーの代わりに横須賀バーガー食べよう!とした訳なんですね。

ところが目当てに店に行ってみると長蛇の列、系列店が2店舗並んでるからすぐ入れるだろと思って並んだら、後でそのうち1店舗が貸し切りになっていることが分かり、結局並びは全然進まなくて70分も並んじゃう結果に……。あ、ハンバーガーは美味しかったです、横須賀らしくジョージワシントン・バーガーという名前のハンバーガーでしたよ。

とはいえ、並び疲れてしまい、食事の後は横須賀の温泉に行く予定だったんですが、こちらは中止することになっちゃいました……。

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4月30日(火)

この日は連休のメインイベントということで那須にある動物園まで行ったんですが、いやーなにしろ雨で大変でした……。この動物園での一日はまた別の記事でまとめようと思ってますのでお楽しみに。

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5月1日(水)

前日動物園で一日過ごしていたせいかさすがに疲れて半日寝ていました。夕方に復活し、知り合いの人と相方さんと三人でタイ料理を食べに行きました。でもやっぱり疲れていて結構早めにお開きしちゃったなあ。あ、そういや世間ではこの日から元号が「令和」に変わったらしいですね。

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5月2日(木)

だいたい予定も消化したのでこの日から家でゆっくりすることに。この日は洗濯したりブログ記事をまとめたりネトフリで映画観たりしていました。

5月3日(金)
ジャッキー・チェンの映画『ザ・フォリナー/復讐者』を観に行ってました。天気が良かったのが逆に悔しい!5月4日(土)、5月5日(日)

なにしろ部屋でダラダラです。例によってDVD観たりブログ記事まとめたりしてました。いやしかしオレ、連休でもひたすらブログ記事書き溜めてたんですね……ブログ中毒ですね……。パソコンの前にずっと座ってることが多かったんで腰痛くなってきましたよ。

5月5日(月)

連休最終日は流通センターで開催されていた「文学フリマ」に出掛けました。『小学生映画日記』のあのマーリーちゃんが高校生になり、今度は『文学と旅する少女』というタイトルの同人誌を発行したんですよ。これは行かなきゃ!マーリーちゃんに会わなきゃ!ついでにお父さんのdoyさんにもお会いしなきゃ!

『文学と旅する少女』はマーリーちゃんお気に入りの江戸川乱歩について紹介した本で、なかなかに読ませる内容でしたよ。マーリーちゃんも随分と成長したもんだ。そしてこれからもまだまだ成長するんですね。マーリーちゃん、doyさん、ご苦労様でした!

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まとめというわけでもないが

そんなわけで半分出掛けて半分まったりしておった10連休でした。なんかもうちょっとやりたいことがあった筈なんだけど、結局ダラダラに負けてダラダラでしたね。あと10日間で体重が2キロ増えたよ!それにしてもほぼ毎晩飲んだくれてたなあ。まあそれもいつものことなんだがなあ。

『ボヘミアン・ラプソディ』を今頃やっと観た

ボヘミアン・ラプソディ (監督:ブライアン・シンガー 2018年アメリカ映画)

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去年公開され大ヒットしたあの話題作『ボヘミアン・ラプソディ』がディスクになったんでオレもやっと観た。ディスクリリース早くね?と思ったんだが劇場でつい最近まで上演されてたけど実際は去年の11月公開だったんだね。

あれだけ話題だったが特に劇場で観る気がしなかったのは、それほどクイーンには興味がなかったのとあんまり感動感動と世間がかまびすしかったのでなんだかシラケていた、というのがあった。フレディーの最期とその理由はオレはリアルタイムで知っていたが、こういう悲劇性でクイーンの物語がくくられるのはなんだか違和感もあった。

クイーンの音楽は中学生頃に知ったのかな。当時出ていた最新アルバムは5枚目の『華麗なるレース』だったと思う。当時クイーンはハードロックにジャンル分けされていて、フレディー・マーキュリーのヴォーカルやパフォーマンスなんかよりもブライアン・メイのギター・テクニックのほうが話題だった。友人から借りて聴いた『オペラ座の夜』と『華麗なるレース』は悪くなかった。ただなにしろオレはハードロックは趣味じゃなく、プログレッシヴ・ロックグラム・ロックが好きだったので、クイーンには特に熱中しなかった。そういや当時、確かにクイーンは女の子に人気があった。中学の時にロックを聴く様な女子はたいがいクイーンだった。その前はベイシティ・ローラーズを聴いていたような女の子がクイーンを聴いていた。

フレディー・マーキュリーが注目を浴びるようになったのはMTVの全盛期からだったと思う。ロック界隈の中でのフレディーの衣装は奇抜過ぎたしパフォーマンスはなんだか付いて行けない部分があった。短髪と髭、タンクトップというファッションもちょっとロックぽくなくて、この人何がしたいんだろう、と思っていた。だからどこかの段階でゲイと知った時には溜飲が下がった。オレはもともとボウイのファンだったし、当時よく聴いていたニューウェーブ系の音楽にもゲイやバイセクシャルのアーチストが多かったので、フレディーがゲイだということを知っても特に何も思わなかった。むしろびっくりしたのは、彼がインド系だったということだ!インド系ロッカーって、なんか凄いな、とちょっと思った。

映画はそんなフレディー・マーキュリーを中心に、青春期における父との葛藤や、女性との愛、バンドの成功とそれに反比例して彼を苛むようになる孤独、さらに自らがゲイであることを知り、その恋人に振り回されるようになってゆくことなどが描かれてゆく。

映画を観て思ったのは、フレディーがゲイであるかどうか以前に、そもそも心が乙女なヤツだったんだなあ、という事だ。これは彼の女性の恋人と電話しながらお互いの部屋の照明を点けるとか点けないとかどうにもロマンチック過ぎるやりとりをしていたシーンで思った。フレディーはお目目をキラキラさせながら恋人との愛の確認作業をしていたけど、恋人のほうは途中からうんざりし始めるのだ。

男のほうが女よりも無駄に無意味にロマンチックなのは結構あることで、なぜならそれはオレ自身が心が乙女な男だからよく分かるのだ。これはオレの相方からもよく揶揄されるよ。あ、オレの相方は女性です。多分実は、女の方が男よりもリアリスティックなんではないかと思う。それは性差という事ではなく社会的な理由で、男は夢みたいなことを言ってても社会でなんとなく生きていけてしまうが、女は夢みたいなことばかり言ってたらこの社会で生きていけないからなんだと思う。それは社会が男社会にできているからだということだ。

フレディーの繊細さや傷付き易さや孤独や親との葛藤がアーチストとしての表現に繋がった、というのは何となく分かんないでもないが、別に孤独で繊細で傷付き易くて親と葛藤がある人間が誰しもスーパースターになるわけなんじゃないから、これはまあ彼の個人的なキャラクターである、としか捉えられない。当然、ゲイであることとアーチストとして大成することも、要因ではあっても原因ではない。じゃあなぜフレディーが大成したかって、それは彼に才能があり時代を読む知見があったからということでしょう。だから彼の人生と絡めて彼の表現を語るのは、なんとなく居心地が悪いんだ。

それよりも、彼を支えるバンドメンバーの、フレディーの気ままさにあんまり動じないどっしりした落ち着きや寛容心や包容力のほうに、フレディー・マーキュリーという不世出のアーチストを活かすことができた要因があったんじゃないかな、とこの映画では思えた。もちろん映画というのは脚色が成されているもんだし、この映画におけるバンドメンバーの描かれ方が現実に即しているかどうかなんて知らないし分からないんだが、少なくともこの映画では、よく見るとバンドのメンバーはそういった描かれ方をしているんだ。で、実際、意外とクイーンってそういうバンドだったんじゃないか、とオレには思えたよ。