暗黒皇帝、あんこう食う!


暗黒皇帝である。銀河辺境惑星地球で今日も我が栄えある銀河暗黒帝国の繁栄と栄光の為崇高なる任務に成就せし臣民どもよ、苦しゅうない。
先日オレ様は汝ら臣民どもが珍味中の珍味として重宝する食材、"あんこう"なる生物を食すべく、我が相方である暗黒女帝を伴い東京・神田に超時空転移を行ったのじゃ。オレ様にあんこう料理を供出する店舗の名は『いせ源』、江戸時代より180年続くとされる老舗であるらしい。まあ齢20億歳を超えるオレ様にとってはついこの間店開きしたようなものじゃがの。
 
しかしこの広大な銀河には、ケプレ星の棘皮生物あんもん、シューマッハ26伴星の気化生物しゅーしゅーこうなど、銀河屈指の珍味となる生物は数あれど、このあんこうもまた醜くおぞましい形態をした生物であることよのう。醜くおぞましいものをこよなく愛するこのオレ様としては期待で胸が膨らむわい。参考までに、このあんこうが日本でどのような食の歴史を持つか「いせ源」のHPから抜粋しておくわい。

あんこうは江戸時代の頃から既に庶民に食されていた。生活費の大半を食費が占め、数多くのものを食材として取り入れた、食欲と好奇心の旺盛な江戸っ子ゆえ、骨以外はすべて食べることができ、風貌からは想像出来ないほどの味わいを持つあんこうは江戸っ子垂涎の的であった。また、当時、「初物七五日」という言葉があり、初物を食べると七五日寿命が延びると言われていた為、初物が出回る頃には皆が大枚をはたいて買い求めた。しかし、年を追うごとにその加熱ぶりは増し、物価が高騰していったことから、政府はそれぞれの食材に売り出し時期の制限を行い、物価の安定を図った。あんこうに関しても解禁日が定められており、11月がその時期とされていたため、11月のあんこうは『霜月あんこう絵に描いても舐めろ』という唄が詠まれる程の引き合いであった。
あんこうについて―いせ源HP

お店に着くと少々行列が出来ておったがオレ様と女帝の到着を聞き店主はすぐさま奥の部屋へ我々を通したのじゃ。店の構えは江戸風情漂う粋な創りであったの。日本の文化なるものもなかなかよいものじゃわい。
さて、なにはともあれ「あんこう鍋」じゃ!甘辛い醤油味の汁であんこう肉やあん肝、ウドや水菜や椎茸を煮込んで食すのじゃ!あんこうの怪しい部位が数多く入っていて食すのが楽しかったわい!隠し味の柚子が実に爽やかで食が進んだのう!あんこうの身は白身魚のような淡白な味じゃが、口の中で身が解れるその食感が今まで味わったことのないものであったのう。

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