可憐なバレリーナが殺戮マシーンと化してギャングどもをぶっ潰す!?/映画『プリティ・リーサル』

プリティ・リーサル(Amazon Prime Video)(監督:ヴィッキー・ジューソン 2026年アメリカ・イギリス映画)

ギャングの館に拉致されたバレリーナたちは得意のバレエ技を駆使して敵を粉砕する!?Amazon Prime Videoで配信中の映画『プリティ・リーサル』はバレエ+殺戮アクションという思いもよらない組み合わせで展開してゆく破天荒な作品だ。

【STORY】 バレエコンクールへ向かうバスが故障し、森の奥深くで立ち往生した5人のバレリーナたちが彷徨い込んだのは、なんとギャングの溜まり場となったホテルだった。監禁され死を待つばかりだった彼女たちは、遂に怒涛の反撃を開始する――バレエという磨き上げられた技を駆使して!

【キャスト・スタッフ】 主演にアイリス・アパトー、ラナ・コンドル、マディ・ジーグラー、ミリセント・シモンズ、アヴァンティカの若手実力派5人。ユマ・サーマンが妖艶な悪役として強烈な存在感を放つ。監督は『クロース:孤独のボディーガード』のヴィッキー・ジューソン。

 チュチュを着た可憐なバレリーナたちが、徹底的に追い詰められた末に反撃に転じ、バレエのポーズを華麗に決めながら一騎当千の肉弾戦を繰り広げ、ギャングどもを次々と血の海に沈めてゆく。「そんな訳あるかよ!」と大笑いしながらも、あまりの馬鹿馬鹿しさに惚れ惚れして見入ってしまった。いやあ、バカな映画だなあ!(褒め言葉)

彼女たちの戦闘シーンをバレエ用語で描写するならこうなる:

リーダーのラナが「プリエ」で深く沈み込み、「グラン・バットマン・デヴェロッペ」を炸裂させて男の顎を粉砕。続けて「アラベスク」の優美なラインから、トゥシューズの爪先を敵の喉に突き刺す「ポワント・ストライク」! マディは「ピルエット」で高速回転しながら「フォンデュ」の低姿勢から跳び上がり、「グラン・ジュテ」で空中を舞って敵の顔面に両足を叩き込む。ミリセントは「アティテュード」の片足立ちでバランスを保ち、素早い「バランセ」で首を刎ね、血しぶきを花びらのように散らす!

いやあ、しみじみバカな映画だなあ!(褒め言葉)

 バレエ+殺戮アクションはこの映画だけの専売特許ではない。ホラー映画『アビゲイル』ではバレリーナ吸血鬼がポーズを決めながら犠牲者の血を啜り、『バレリーナ The World of John Wick』もすでにお馴染みだろう。しかし『プリティ・リーサル』が一線を画すのは、格闘の一挙手一投足をバレエのポーズとして成立させることへの、ほとんど偏執的なこだわりだ。それがこの映画を「ネタ映画」で終わらせない、奇妙な誠実さになっている。いや「ネタ映画」で全然かまわないんだが。

舞台となる森の中のホテルはハンガリーのブダペスト近郊に位置し、東欧風の暗くこってりとした雰囲気が、異郷に迷い込んだバレリーナたちの不安と恐怖を効果的に盛り上げる。ギャングたちもこれまた東欧独特の剣呑さで雰囲気たっぷりだ。最初は右往左往する彼女たちが遂に肚を決め逆転に転じる様は痛快この上なく、「みんな殺っちまえ!」と思わず応援したくなること間違いない。最初は仲の悪かったバレリーナたちが、戦闘を通じて絆を深めてゆく、という展開はお決まりではあるが、胸を熱くさせてくれるだろう。

そしてこのハチャメチャな映画をぎりぎりのところで成立させているのが、ギャング館のマダム役を演じるユマ・サーマンだ。その圧倒的な存在感と妖艶な美貌が物語に確かな奥行きを与え、単なるB級アクションにとどまらない作品に仕上げている。さらに彼女自身もバレエとの深い因縁を持ち、それがクライマックスで大きく炸裂するのも見どころだ。


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プリティ・リーサル

プリティ・リーサル

  • アイリス・アパトー
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