ちょ、待って、ダンジョン攻略が配信されて俺のフォロワーが2兆人ってどゆこと!?/『冒険者カールの地球ダンジョン2: 銀河生配信!デスゲームでめざせフォロワー爆増』

冒険者カールの地球ダンジョン2: 銀河生配信!デスゲームでめざせフォロワー爆増 / マット ディニマン (著), 中原 尚哉 (翻訳)

冒険者カールの地球ダンジョン 2: 銀河生配信! デスゲームでめざせフォロワー爆増 (ハヤカワ文庫SF) (ハヤカワ文庫SF SFテ 14-2)

俺はカール。27歳。地球ダンジョンでの生き残りを賭け、相棒のしゃべる猫、プリンセス・ドーナツ・ザ・クイーン・アン・チョンク(通称ドーナツ)とともに(しぶしぶ)探索者となった。 なんとかぶじ第二層に突入した俺たちは、下半身がカニのモンスターやチャラいオークがMCを担当する、視聴者数100京(けい)もの宇宙人向け配信トーク番組に出させられることに。どうやらパンツ一丁で立ち回る俺たちを宇宙人たちは気に入ったらしく、爆増したフォロワー数はたちまち数億に達するのだが……!?

突然の宇宙人侵略で人類はほぼ絶滅、生き残りはダンジョンデスゲームへの強制参加を余儀なくされる。実はそれは、宇宙人が主催する銀河規模の生配信エンタメ番組のためだった。視聴者は宇宙人100京人規模。主人公カールは相棒の毒舌猫ドーナツとともにダンジョン第二層へ突入し、番組視聴者フォロワーの爆増を賭けて、これまで以上の戦いを繰り広げる!

絶賛快進撃中の「冒険者カール」シリーズ第2巻です。第1巻がとんでもなく面白かったので、この2巻も大変楽しみにしておりましたが、期待に違わぬ面白さで大満足でした。本巻でも、カール&ドーナツが機略とパワーを尽くして、いやらしいモンスターを次々と撃破する様が描かれます。しかし、それだけではない新機軸も盛り込まれています。

それは、銀河規模で生配信されているこのダンジョンデスゲーム番組において、フォロワーを多く獲得することがゲーム攻略上の大きなメリットになる、という仕掛けです。たとえばアイテムボックスの質と量の向上、スポンサーの獲得とそれによる支援、配信番組への出演とそれにともなうバトル環境の優遇など。これらは、人気プレイヤーを擁することで視聴者が増え、番組収益が上がるという背景があるからこそ実現するものであり、当然カール&ドーナツの生存確率をどんどん押し上げることも意味しています。

つまり本巻では、主人公の一人と一匹が、あたかもゲーム実況配信者となって収益を得ていくような展開となるのです(本人たちが実況しているわけではないのですが)。

これにより、ただダンジョンでデスゲームを繰り広げるだけでなく、フォロワー・スポンサー・番組制作者を巻き込むことで、銀河規模のデスゲーム配信世界の核心が少しずつ暴き出されていきます。物語内では配信世界の中枢を担う幾つかの宇宙豪族の存在も言及され、将来的にはカール&ドーナツが彼らの中心へと肉薄していく展開も予想されます。ひょっとするとこの物語、クライマックスに近づくほど宇宙規模の稀有壮大な叙事詩へと化けていくのではないかという予感がしてきました!

ところで、ダンジョン内のデスゲームでモンスターを次々と撃破していく主人公カール。こういった設定なので、強力な銃や剣を駆使しているように思われるかもしれませんが、カールの最大の得意技はパンチとキック!要するに、炎の肉弾戦野郎なのです。この原始的で野蛮極まりない戦法が銀河中の人気を集めてしまった、というのがまた痛快です!ぶん殴りぶっ潰し、集めたフォロワー2兆人!?ええええ!?

というわけで次巻も期待です!早く出してよハヤカワさん!