超時空英雄伝エイリアノイド PART1:神剣激突 (監督:監督:チェ・ドンフン 2022年韓国映画)

韓国映画『超時空英雄伝エイリアノイド PART1:神剣激突』は、異星人とアンドロイドが戦いを繰り広げる現代編と、神剣を巡って仙術がぶつかり合う過去篇とが繋がるなんでもアリな韓国産闇鍋SFアクション映画の第1部だ。
太古より、異星人は罪人を人間の体に封じ込め、地球を秘密の牢獄としていた。2022年の現代韓国では、【監視者】アンドロイドの「ガード」と「サンダー」が脱獄囚を追う中で、人類滅亡を懸けた巨大な陰謀に直面する。一方、1391年の高麗末期。若き道士ムルクは懸賞金目当てに伝説の「神剣」を追い、謎の女イアンと出会う。神剣に隠された秘密が、630年の時を超えて過去と現代を激しく結びつけていく――。
監督は『10人の泥棒たち』『暗殺』で観客動員1000万人超を記録したヒットメーカー、チェ・ドンフン。構想5年、撮影に387日を投じた渾身の一作だ。キャストにはリュ・ジュンヨル、キム・ウビン、キム・テリ、ソ・ジソブら最強の布陣が揃い、時代を超えた個性豊かなキャラクターを熱演している。
本作の魅力は、何といってもツイ・ハークの武侠映画(『ワンチャイ』や『王朝の陰謀』シリーズ)を彷彿とさせる、ケレン味たっぷりのアクションだ。過去編での空中剣舞や仙術が躍るワイヤーワークは、かつての香港映画が持っていた「何でもありのエネルギー」を韓国流にアップデートした爽快感がある。VFXのクオリティも一定の水準に達しており、SFと武侠が混ざり合うビジュアルは新鮮だ。
しかし、期待が大きかった分、中盤から終盤にかけての失速は残念だった。ツイ・ハーク作品にある「過剰なまでの様式美」や「物語を強引に牽引するキャラクターの華」が、本作では希薄に感じられるのだ。アンドロイドのガードや道士ムルクといった主要キャラがどうにも薄っぺらく、過度なコミカル展開がせっかくの緊張感を削いでしまっている。現代編の少女の存在も、物語を子供っぽくしていた。それと猫従者二人、あれはオッサンではなく女子にしたほうが華があった。
設定にも難がある。【監視者】は人間の体内から脱獄した罪人たちを捕え、電子的牢獄に閉じ込めるのだが、だったら最初から罪人たちをその電子的牢獄に入れておけばいい話で、なにも人間の体を利用する必要がないではないか。そもそも人間の肉体を牢獄にしなければならない理由が分からない。これらあやふやな世界観設定が仇となり、没入感が薄れていったのも難だ。ただし本作はあくまで「PART1」であり、PART2『終局決戦』への壮大な前振りに過ぎず、そこで幾つかの疑問点が解消される仕組みなのかもしれない。
142分という長尺の中で、序盤のワクワク感が持続しなかったのは残念だが、「こんな映画、他にない」という異色さは確かにある。ただ、この第1部を観て、第2部へ即座に食指が動くかどうかと問われると、微妙と言わざるを得ないのが正直なところだ。