3度目のもふもふ/映画『パディントン 消えた黄金郷の秘密』

パディントン 消えた黄金郷の秘密 (監督:ドゥーガル・ウィルソン 2024年イギリス映画)

赤い帽子に青のダッフルコート。人間の言葉が話せてちょっとお茶目なくま、パディントンを主人公とした映画『パディントン 消えた黄金郷の秘密』です。イギリスの人気児童文学「くまのパディントン」を原作としており、映画化作品としては『パディントン』『パディントン2』に続く第3作となります。

パディントンはひょんなことから生まれ故郷であるペルーからロンドンにやってきた子ぐまです。その後ブラウン一家のお世話になりますが、おっちょこちょいがたたっていつも大騒動を巻き起こしてしまいます。けれどそんなパディントンを周囲に人たちは暖かく見守っているんですね。さてこの『消えた黄金郷の秘密』では、ペルーに住むパディントンのおばさん熊ルーシーが行方不明になったことを知ったパディントンとブラウン一家が、ルーシー探しのためにペルーに渡っちゃう!?という物語になっているんですね。

出演はブラウン家の父ヘンリーに『ダウントン・アビー』のヒュー・ボネビル、ペルーで出会う船の船長にアントニオ・バンデラスパディントンはCGですが、ベン・ウィショーが声を担当しています。監督はイギリス出身のコマーシャル、ミュージックビデオ、映画監督の ドゥーガル・ウィルソン。

【STORY】ロンドンでブラウン一家と平和に暮らしていたパディントンのもとに、故郷から1通の手紙が届く。育ての親のルーシーおばさんの元気がないというのだ。パディントンとブラウン一家が休暇をとってペルーへ行くと、ルーシーおばさんは失踪、里帰りは一転、彼女を探す冒険へと変わる。だが、都会暮らしになれてしまい野生の勘を失ったパディントンは次々と大ピンチに遭遇。果たしてルーシーおばさんを見つけることができるのか? そして、パディントンを待ち受ける「消えた黄金郷の秘密」とは?

映画『パディントン 消えた黄金郷の秘密』公式サイト|大ヒット上映中

映画『パディントン』は1作目も2作目もお気に入りの作品で、実をいうとぬいぐるみまで持っているぐらいです(くまのぬいぐるみを持っている60過ぎのオッサン!)。『パディントン』のよさは、全編から漂うそのイギリスらしさでしょう。ロンドン郊外の街並みやそこに住まう人々の気さくで庶民的な雰囲気、同時にイギリスらしいちょっぴりいじわるな味付けのされたドラマ、そしてなにより主人公パディントンの、イギリス紳士を思わせる礼儀正しいものごし。この”礼儀正しい子ぐま”というキャラクターがとても愛らしいんですよ。

今作『消えた黄金郷の秘密』ではこれまで舞台だったロンドンから離れ、遠くペルーの鬱蒼としたジャングルが舞台となります。ここでパディントンとブラウン一家は行方不明のルーシーおばさんの探索を始めますが、なんとお話は「失われた黄金の都市・エルドラド」の探索へと大きく広がることになるんです。あたかもそれはインディ・ジョーンズやトゥーム・レイダーの子ぐま版、あるいはアマゾン川を舞台にしているといった部分でドウェイン・ジョンソン主演のアドベンチャー映画『ジャングル・クルーズ』を彷彿させる大冒険が繰り広げられるというわけなんですよ。

とはいえ基本は児童文学原作なので、ほどほどに危険でたっぷりと可笑しい珍道中といったほうが正解でしょう。ここでブラウン一家は散々な目に遭うものの、クスリと笑っちゃうような演出ですし、パディントンはというと危機の最中でも礼儀正しいのでこれまた笑えてしまうんです。ミステリアスな登場人物や悪い奴らも出てきますが、これもほどほどに危険でたっぷりと可笑しいキャラクターばかりです。

1、2作目が「英国に住む英国作法の子ぐま」を楽しく愛らしく描くことに特化していたのと比べ、この3作目ではシンプルでストレートな冒険譚として描かれることになります。これは1、2作目の監督ポール・キングと今作の監督ドゥーガル・ウィルソンの資質や方向性の違いということなのでしょう。その分英国好きの心をくすぐった1、2作目よりも若干視聴対象年齢が下がったように思えますが、これまでよりもファミリー層を取り込んだ人気が出たらそれはそれで嬉しい気がします。どちらにしろもふもふなパディントンの愛らしさには変わりないですから。