一人の少女が北欧神話の暗黒世界を駆け抜けるアクション・ゲーム『Hellblade: Senua's Sacrifice』

■Hellblade: Senua's Sacrifice (PS4)(XboxOne)(PC)

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ラグナロク北欧神話における世界の終焉)をテーマに、一人の少女が死した恋人を生き返らすため冥府ヘルヘイムへと墜ち、そこで異形の存在との戦いを繰り広げる、というのがこのゲーム『Hellblade: Senua's Sacrifice』だ。開発は「DmC Devil May Cry」や「Enslaved: Odyssey to the West」で知られるNinja Theoryによるインディー・ゲームとなり、2017年暮れにPS4、XboxOne、PCで発売された後、全世界で100万本の売り上げを記録したという。

オレはこのゲームを最近たまたまネットで知り、どこか異様な世界観とビジュアルに妙に魅せられ、ついつい購入してしまった。実はゲーム自体は国内版の発売はされておらず、輸入盤XboxOneソフトの購入となったが、メニュー・字幕はきちんと日本語になっており、プレイになんら支障は無い。多分PS4やPCも同じ仕様なんじゃないかな。それとインディー・ゲームなので値段が安い。オレが買ったのは¥3489だったし、SteamのPC版だと¥2980だ。

オレが最初に惹かれたのは主人公少女のビジュアルだ。ウォーペイントの施された顔にドレッドをひっ詰めた髪、そして石器時代そのものの衣装はいつも泥や血に塗れている。少しも甘くないし可愛くも無い。彼女が旅する世界もこの世のものでは無い。寒々しい大地と寒々しい空、辺りには幾多もの死体が転がり、異様なモニュメントや廃墟と化した村跡などが残るばかり、そのグラフィックはどこまでも美しくそして陰鬱極まりない。この冥府に生を持って歩むのは彼女だけであり、その彼女に冥界の化け物どもが襲い掛かるのである。

とはいえゲーム進行はどちらかというと謎解きがメインとなる。パズルじみたものや頭を抱えてしまう難易度のものは今のところ出てきていないが、なにしろ説明が少ないので「あれこれやってみたらどうやらそういうことだったみたい」なんてのが多い。そもそもこのゲームはGUIを一切採用しておらず、その分相当没入感が高いのだが、その中で謎解きのヒントが幻覚や幻聴の形で表示されるもんだから、ストーリーの妖しさがなお一層演出されることになる。

化け物との戦闘コマンドは「弱」「強」「蹴り」「ガード」「避け」さらに「スロー」といったシンプルなもの。コマンド技やレベルアップやスキルアップの概念が存在しないゲームなので、「出てくる敵がどんどん手強くなって来るんだけど大丈夫なのかこれ」と思わされるのだが、ゲームを続けていると何故か主人公の技や動きが段々とテクニカルになってきて、さらにライフも増えているように感じる。どうやらそういう仕様のゲームなのらしい。

そしてこのゲーム、なんと恐ろしい事に、何度も戦闘不能を繰り返してしまうと、「主人公は闇に落ちた」ということにされセーブデータ消去の後にゲーム最初に戻されるのらしい!聞いたことないよそんなゲーム!?なので戦闘は微妙に緊張感が高い。ただしエンカウントはそれほど多くなく、なにしろ「異様な世界観を堪能してもらうゲーム」として成り立っているのであんまり心配しなくて・・・・・・いいかな?

全体的に「徹底したビジュアルへのこだわり」「簡素化しリソースを減らした戦闘システム」あと「NPCが殆どいない殺風景で殺伐とした世界」といった部分にインディー・ゲームぽさを感じるが、ゲームの完成度の高さは売り上げや評価の高さが証明していると言っていいだろう。なにより「この世の果てで一人ぼっち」という孤独感や寂寥感をひしひしと感じられる作りがいい。ストーリー重視の作品のようなのでじっくりプレイしてみたい。


Hellblade: Senua's Sacrifice New Cinematic Trailer 【FULL HD】

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Hellblade: Senua's Sacrifice (PS4) (輸入版)

Hellblade: Senua's Sacrifice (PS4) (輸入版)