ある日森を歩いていたら持っていたゴーストバスターズを湖に落としてしまったのである

ゴーストバスターズ (監督:ポール・フェイグ 2016年アメリカ映画)

■ある日森を歩いていたら

ある日森を歩いていたら持っていたゴーストバスターズを湖に落としてしまったのである。「ああ、明日のブログネタにしようと思っていたあのゴーストバスターズが無いとブログが書けない……」オレが困っていると、なんと湖の精が現れ、オレにこう告げたのだ。
「あなたが落としたのはこのゴーストバスターズ?」

「それともミニスカがセクシーなゴーストバスターズ?それともホットパンツがダイナマイツなゴーストバスターズ?」
 
「うおおおおミニスカとホットパンツのチャンネーですオレの落としたのはミニスカとホットパンツのチャンネーです落としてなかったとしてもミニスカとホットパンツです早くミニスカとホットパンツください」
「……不正直者め!そんなお前にはこっちのむさ苦しいゴーストバスターズが履いていた使用済みパンツを毎日5トントラック山盛りで配達するから覚悟しなさい」

「いやだあああああああ!!」

■リブート版『ゴーストバスターズ

というわけでリブート版『ゴーストバスターズ』をやっと観てきました。それにしても映画が始まって初めて自分が吹き替え版を観ていることに気付きました。まあ、どっちでもいいんですけどね。オレの映画への思い入れなんてこの程度です。吹き替え版だったせいなのか、エンドロールでは何故だか日本語のテーマソングが流れていました。あとで調べたらこんな人たちが歌ってたんですね。

「今度は4人の女性が活躍する!」ということで話題になっていましたが、確かに性別を変えるだけでこんなに違った面白さになるんだ、と感心しました。監督ポール・フェイグの前作『SPY/スパイ』(2015)でもありがちなスパイ・アクションを冴えない(でも実は凄腕の)中年女性を主人公にすることで抜群のコメディに変えていたし、同監督の『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』(2011)もやはり冴えない女性が主人公のコメディで、監督は最近流行りのCPがどうとかいう話以前に、こういう手法を好む人なんだな、と思いましたね。それと『ゴーストバスターズ』を含むこの3作は全てメリッサ・マッカーシーの主演で、彼女がポール・フェイグ監督のミューズである、ということもできるのかもしれません。
映画それ自体も最新VFXがとても映えるテーマの作品で、ぬめぬめと妖しく光るゴーストやら奇怪なゴースト捕獲機械やらのビジュアルが目を楽しませてくれましたね。シナリオとセリフはちょっともたついていたかもしれませんが、もともとが大味な娯楽作品なのでこんなものでしょう。それよりも思ったのはこの映画、「女性が活躍する」だけではなく「男が全く使えない」というのがさらに面白いんですね。出て来る男出て来る男、みんな剣呑で陰湿で頭が悪くて性格の暗いヤツばかりでしたね。いや実際、男なんて剣呑で陰湿で頭が悪くて性格の暗いヤツばかりですよ。自分がそうだからよく分かるもん!

■オリジナルの『ゴーストバスターズ』の思い出

そういえば自分は結構な歳なもんですから、オリジナルの『ゴーストバスターズ』(1984)も劇場で観たクチなんですよ。ただ当時はTVの特番で見所と称して映画のストーリーや映像を殆ど全て垂れ流していたもんですから、そんなのを観てしまっていたばかりに実際映画館で観ても、最初から知っているお話を見せられるだけだからたいした面白く無かったんですよ。
昔はネットやそのクチコミなんて無かったですから話題作の宣伝はなにしろTV、あと雑誌、てな感じでしたね。で、どれもストーリーダダ漏れの内容で、下手したらラストの映像まで使ってネタバレしていましたね。でもあまり映画観ない一般の人の脳に「面白い!面白い!」と徹底的に擦り込まないとお客さんなんて来てくれなかったんでしょうかね。『ゴーストバスターズ』の時も一緒に観に行った友人が「最初はこんなで途中でこうなって最後なんかこうなっちゃうんだってね!とっても楽しみだなあ!」なんて感じでワクワクしてるんですよ。
これって今で言うと例えば『スターウォーズ フォースの覚醒』が「〇〇がXXで実は〇〇はXXだったりするし、なんと〇〇なんかXXするんだよ!いやこれは観なきゃ!」ってことと一緒ですよ。いや凄い時代でしたね。今こんなネタバレTVでやったらファンが暴動起こしますよね。でもこれが『マッドマックス 怒りのデスロード』だったら「いや、行って帰ってくるんだよ!これは観なきゃだね!」ということになりあまり被害は少なそうですね。
http://www.youtube.com/watch?v=t6hlkIlGFCI:movie:W620