最近聴いたエレクトロニック・ミュージック

■Around the World With / The (Hypothetical) Prophets

Around the World with the Prophets

Around the World with the Prophets

1980年代に活動していたというエレクトロニック・デュオThe (Hypothetical) Prophets、実はキャバレー・ボルテールやフライング・リザードあたりと同時期に位置するニューウェーブ・ジャンルのユニットなんだが、オレは全く知らなかった。今作は1982年にリリースされた彼らのアルバムのリマスター・リイシューとなるが、これが今聴いても全く遜色の無いエクスペリメンタルな音で、その新鮮さに驚いている。音自体は奇妙にグチャグチャしたローファイな電子音に乾いたユーモアを感じるヴォーカルが乗っかるといったもので、いわゆる"怪作"なのだが、実に面白い。これがベースミュージック経由の最新版エレクトロニカだと言われてもそのまま通用してしまいそうなのだ。 《試聴》

■System Fork / Application (The Black Dog)

System Fork

System Fork

UKテクノ重鎮デュオThe Black Dogのユニットメンバーのうち、MartinとRichardのDust兄弟が始動したプロジェクトがこのApplicationで、これはその第1弾アルバム。The Black Dog譲りの非常に計算と抑制が成されたテクノ・アルバムで、エレクトロニカとは何か?と聞かれたらこれを聴かせればいいぐらいのバランスのいい作品。 《試聴》

■Sidetracking / Jona

Sidetracking

Sidetracking

ベルリンで活躍するJonathan TroupinことJonaによる1stフルアルバム。ミニマル・ハウス〜テック・ハウス〜ディープ・ハウスと非常に多彩な音を聴かせるスタイリッシュなハウス作品。 《試聴》

■Sense of Purpose / JoeFarr

Sense of Purpose

Sense of Purpose

ブリストルのテクノ・プロデューサーJoe Farrのデビューアルバム。インダストリアル、ブレイクビーツ、グライムからダウンテンポまでも網羅したストリート・テクノ。 《試聴》

■Fabriclive 78 / Illum Sphere/Various

FABRICLIVE 78: Illum Sphere

FABRICLIVE 78: Illum Sphere

2014年にリリースされたFabricliveの78番はイギリスの新鋭プロデューサー、イルム・スフィア。全体的にダブ・テイストで、常に低音辺りでどんよりドロドロした音が展開している。作業用にok。 《試聴》

■Fabric 82 / Art Department/Various

Fabric 82: Art Department

Fabric 82: Art Department

去年リリースされたFabricの82番はカナダのハウス/テクノ・プロデューサー、アート・デパートメント。ベーシック・チャンネルからハーバートまで幅広いハウス/テクノ・チューンをフィーチャーした作品。作業用にok。 《試聴》

■Songs From Before / Max Richter

Songs From Before

Songs From Before

ドイツ出身のポスト・クラシカル・コンポーザー、マックス・リヒターが2006年にリリースした3rdアルバムのリイシュー。ピアノ、チェロ、バイオリンといった伝統楽器を使った楽曲にエレクトロニクスとミニマルフレーズを融合し、静謐で美しい音楽を創造する。また、村上春樹小説の一文をロバート・ワイアットを朗読する、といった曲もあり。英語だし村上の何の作品かは分からないんだけどね。 《試聴》