最近ダラ観したBlu-rayだのDVDだの〜『21ジャンプストリート 』『サウンド・オブ・ノイズ』『オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主』『2ガンズ』

■21ジャンプストリート (監督:フィル・ロードクリストファー・ミラー 2012年アメリカ映画)

落ちこぼれの若手警官二人が、麻薬売買の横行する高校に、高校生のふりをして囮捜査することを命じられたが!?というクライム・コメディ。
いやーこれは最高でした。ぼってりしたオタク体型のジョナ・ヒルと、ガッチリしたスポーツ体型のチャニング・テイタムとが主人公を演じ、見た目のデコボコ加減がそのまんまキャラに反映し、いい味出してるんですね。この二人にはかつて高校生だった頃のトラウマがあり、まずジョナ・ヒルはモテない!チャニング・テイタムはバカ!ということになっていて、それが捜査とはいえ新たな高校生生活にどんな影響を与えるのか!?というのが見所なんですよ。そう、この物語、犯罪捜査がテーマとはいえ、実はその核心となっているのは、「もう一度高校生活をやり直せたら…」というものなんですね。
いい大人が高校生活やり直したいなんてちょっと負け犬な願望だし、実際主人公二人はある意味負け犬なんですが、犯罪捜査という大前提があるからこそこの設定が生きてくる、というのも上手いですね。おまけにこの二人、捜査そっちのけで高校生活をエンジョイするばかりか、なんと学校の人気者になっちゃう!?「よかったね」と言ってあげたい反面、なんか情けない気も…。しかしやっぱり捜査を思い出し、やがてとんでもない死闘が繰り広げられることになるのです。
二人の潜入した高校というのが乱れまくった学校でもなんでもなく、生徒みんな揃ってエコだの平等だの意識高いこと言っている…なんていう、こういった物語のセオリーを裏返した設定がまた可笑しい。クライマックスでは「ええ!?」ってプレゼントもあるこの作品、本国では結構人気が高かったらしく続編も予定されているとか。ホントにこれがなんで日本じゃDVDスルー?って思っちゃうぐらい楽しい作品でした。お勧めです。

■サウンド・オブ・ノイズ (監督:オーラ・シモンソン、ヨハンネス・ファーネ・ニルソン 2010年スウェーデン/フランス映画)

サウンド・オブ・ノイズ [DVD]

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黒覆面をした怪しすぎる6人組が病院や銀行に侵入、いったいどんな恐ろしい犯罪が…と固唾を呑んで観ていると、なーんと連中、周りにある物だけを使って、いきなり音楽を鳴らし始めるではないですか!?実はこいつら、突発テロ的ミュージック・コンクレート・パフォーマンス・アーチスト集団だった!…という北欧発のユニークなクライム・コメディです。お話はこのアーチスト集団と彼らを追う警官とで構成されますが、この警官というのが弟に有名なクラシック指揮者を持ちながら自らは音楽嫌い、という設定がまたお話を面白くしています。アーチスト集団には実際の音楽家を起用しているらしく、その彼らが、実際に周りに転がっている雑貨や窓や壁や電子機器を叩いたり押したりしながらして出る雑音を、きちんと音楽へと仕立てるというそのパフォーマンス自体にも感心させられます。既成の音楽をぶち壊し、真に自由な音楽を目指すんだ!という彼らのパンクなスピリットが共感を呼ぶ、そんな映画でしたね。

■オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主(監督:スティーブン・ソマーズ 2013年アメリカ映画)

霊能力のある少年が、町に災厄を呼ぶ悪霊の群れを見てしまい、その災厄から町を守るために立ち上がる、という映画。原作がベストセラーホラー作家ディーン・クーンツの作品で、『ハムナプトラ』『G.I.ジョー』のスティーブン・ソマーズ監督ということでちっと期待はあったんだが、テーマがどうもP・ジャクソンの『さまよう魂たち』や『ラブリー・ボーン』と被っている上にその劣化版程度にしか見えないんだよなあ。さらに若手俳優中心のいわゆるヤング・アダルト向けの作品として作られているんだが、そのキラキラした青春ぶりがちょっとこそばゆくもまた子供っぽく感じてしまい、オレ的にはノレなかったなあ。

オッド・トーマスの受難 (ハヤカワ文庫 NV )

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オッド・トーマスの霊感 (ハヤカワ文庫 NV ク 6-7)

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■2ガンズ (監督:バルタザール・コルマウクル 2013年アメリカ映画)

囮捜査で麻薬組織から巨額の現金を奪った二人の捜査官が、その大金を狙った仲間の裏切りに遭い、さらにCIAまでが介入して泥沼の争いに発展するというクライム・アクション映画。主演はデンゼル・ワシントンマーク・ウォールバーグ。二人の捜査官は最初お互いの正体を知らずに囮捜査していたが、お互いハメられた者同士ってことで意気投合、「全員ぶっ潰しちまおうぜ!」とばかりにタフな軽口叩きながら戦いを繰り広げる様が非常にコミカルな作品だ。ただしコミック原作の荒唐無稽さは設定こそ面白くしているものの、逆に物語展開にはお約束と予定調和が多く、観ていてだんだん白けてきちまいましたよオジサンは。

2ガンズ (ShoPro Books)

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