凸凹タフガイが大活躍する『ヒットマン』にはちょっとだけ「犬溶接マン」が出ていた!

ヒットマン (1) / ガース・エニス

ヒットマン1
はいはい、ワタクシめも「犬溶接マン」が目当てで買ったクチです、この『ヒットマン』。
ヒットマン』はとある理由から読心能力を持つ事になった、ヒットマンことトミーが主人公のアメコミです。ヒットマンっていうぐらいだから殺し屋なんですが、彼は悪人しか殺さないことを心に誓ってるんですな。容貌はといいますとA・シュワルツェネッガーをちょい小柄でスマートにし、無精ヒゲをふんだんに生えらかせ、グラサンに咥えタバコ、ダサめのグリーンのコートにアーミーブーツを履かせ、さらに10日ぐらい風呂に入ってないような小汚さをふんだんにあしらったようなキャラということが出来るでしょうか。性格はタフガイ、クール、皮肉な冗談好き、さらにかつて湾岸戦争で戦っていた、という過去を持っています。
この彼がバットマンでお馴染みのゴッサムシティで様々なトラブルに巻き込まれる、というお話で、この第1巻には7話収録されておりますが、そのうちの2話にはそのバットマンも登場し、ヒットマンとやりあいます。このバットマンの登場する第1話「レイジ・イン・アーカム」は、なんと「ジョーカー暗殺を依頼されたヒットマン」というお話なんですが、ここでのジョーカーの扱いの酷さはジョーカー・ファンを悲嘆の涙に暮れさすこと必至でありましょう。
全体的に申しましてこのコミックの特徴は、なんといいますか不細工で不恰好で、さらに主人公と同じく10日ぐらい風呂に入ってないかのような小汚い連中が大挙して登場する、むせかえるような生活感と体臭とゴミの臭いが漂ってきそうな物語ばかりなんですな。なにしろ主人公がすっとぼけた野郎なんで、どうにもコミカルな物語展開なんですが、殺し屋として闇の世界で生きることのペーソスもそこここに盛り込まれており、単なるオチャラケ野郎のドタバタギャグだけを描いたものでは決して無いんですな。つまりハードボイルドしているんですよ。どちらかというとハードボイドドだと!って感じですが。
そして対する敵役も気色悪い上にババッチそうな連中ばかり。ナチスのSS将校5名が地獄に落ちて合体した6本腕の幽鬼とか、シャム双生児で頭の二つあるマフィアのボス(しかも片方が既に死んでいて腐ってきている)とか、化学実験で生み出された早撃ちガンマンとか、ヘヴィメタルを勘違いしたようなルックスの宇宙暴走族とかなんとか。この敵役とヒットマンが銃弾乱れ飛ぶ激しいアクションでぶつかり合うんです。
そして例の「犬溶接マン」と3流ヒーロー・セクション8の連中が大集合するのが「ヒットマン・ロボ』の回。実はちょっとしか活躍しないので残念なんですが、この回の奇天烈な面白さは後日訳出される予定の第2巻に持ち越されることになっているようです。で、この第2巻の発売が2014年冬!?遅い!遅すぎる!早く第2巻を出してくれッ!