最近ダラ観したBlu-rayだのDVDだの (その1)『セレニティー』『アーティスト』

■セレニティー (監督:ジョス・ウィードン 2005年アメリカ映画)


この『セレニティー』は大ヒットした映画『アベンジャーズ』の監督ジョス・ウィードンが2005年に撮ったSF映画で、ヒューゴー賞ネビュラ賞、プロメテウス賞と有名SF賞を総なめにした作品でもある、なんて知ったのでちょっと観てみました。物語はざっくり説明すると遠い未来を舞台にしたスター・ウォーズみたいなスペース・オペラで、もともとジョス・ウィードンが原作・脚本を手掛けていた『ファイヤーフライ 宇宙大戦争』というSFTVドラマシリーズの映画版完結篇として製作されたそうなんですね。で、こうやって書くと物凄く面白そうなんですが、もともとのTVシリーズを知らないとちょっと楽しめる部分が分からないような消化不良な出来になってて、少々残念でした。勿論TVシリーズを観ていなくても人間関係や物語の筋運びは理解できるようには出来ているんですが、TVドラマシリーズの映画版ということでそれぞれのキャラや物語背景の掘り下げが省かれている分、物語に初めて接する身としてはなにもかも薄っぺらく感じてしまい、単なるダイジェスト映像を見せられているような気分になってしまうんですよね。それと物語の中心となる、"未知の超能力を秘めた少女"が、その"未知の超能力"を最後まで全然つかってくんなくて、お陰で登場人物の皆さんがいろいろ大変な目に遭ってしまい、観ていて「もったいぶってるだけで全然使えねえなこの超能力少女!」とちょっとイラッとするんですよねえ。SF的な世界観や小道具、VFXもとりたてて目を惹く物がなく、その辺でも退屈しちゃった映画でした。

■アーティスト (監督:ミシェル・アザナビシウス 2011年フランス映画)


モノクロ・サイレント映画時代のとある男女映画スターの盛衰をモノクロ・サイレントでそのまま撮っちゃいました、という作品です。ノスタルジックさとサイレント映画への郷愁がテーマとなっているんですが、ノスタルジックなものにあんまり惹かれない上に台詞がサイレントで美しい音楽で綴られていくこの映画、観ているうちにうつらうつらしてしてしまいました。ノスタルジックなものをそのままやっちゃうんじゃなくてそれなりに批評とか対象化とかあってもよかったのではないかと。