■リアル・スティ−ル (監督:ショーン・レヴィ 2011年アメリカ映画)
近未来のロボット・ボクシングを描いた作品なんですけどね、最先端科学を駆使したロボット作っといてそれで結局やることが殴り合いってね、それはどうなんだろうと。まあこの時代にはロボットていうのは車並みに珍しい物では無くなっているってことなんでしょうね、そもそもその辺に廃車ならぬ廃ロボットが転がっているぐらいですから。しかしそれならそれで格闘用ロボット以外のロボットも日常の中にもっと現れてもよさそうな気もしますけどね。しかしそれはそれとしても、なにしろやることが殴り合いでしょ、ロボット同士が戦うんだから、もっとなんかやりようがあるでしょうに。だいたいロボットは人間と同じ器官持ってるわけじゃないですから、頭殴られたりとか腹殴られたりとかしても痛くはないでしょうし、格闘用ロボットなら弱点となりやすい回路は基本的にダメージに強くさらに攻撃されにくい部分に作られるものでしょう。それなのに映画じゃ一所懸命頭ガードしたりとかね、なんじゃそりゃ、と。だいたい強いロボットなんて金さえかければ作れるでしょうから、こんなのは資金のあるスポンサーを持った選手の勝ちに決まってるでしょう。やはり人間のボクシングだってヘビー級だのミドル級だののクラスがあるわけですから、同等ぐらいの性能を持ったロボットを戦わせないと面白くないでしょう。にもかかわらず、主人公のオヤジは新規に買ったロボットをいきなり知らないマシンと戦わせて負けたりとか、拾ったロボットでいきなり最強ロボットと戦ったりとか、なんじゃいな、と。そもそも模倣型の戦いのほうが強いならとっくに誰かがやってるでしょうしね。そういった部分で、テクノロジーでもなんでもないロボットの描かれ方が個人的にダメな映画でしたね。原作書かれたのが50年代だからなあ…。
■ザ・ホール (監督:ジョー・ダンテ 2009年アメリカ映画)
ジョー・ダンテ監督が2009年に久々撮った
長編映画です。元気だったんでしょうか
ジョー・ダンテ監督。さてこの『ザ・ホール』は「引っ越してきた家の地下室に開かずの扉があって、それを開けたらおっかないことが一杯起こっちゃったよ!」という何か既知感ありまくりのお話です。きっとあちらの国の地下室は日
本の学校のトイレ並みにお化けが沢山棲んでいるのでしょう。あんまりアリガチ過ぎるお話のせいか日本ではDVDスルーとなってしまいました。しかしそんなお話ながら、観てみるとこれが意外と面白かったんですよ。主演の少年少女がなんだか好感度高かったのがそのせいかもしれません。ちなみに主演は『
ダレン・シャン』のクリス・マッソグリア、弟役は『ミスト』や『
ダークナイト』の子役ネイサン・ギャンブル、ヒロインは『ラブソングができるまで』のヘイリー・ベネット。この3人が子供たちだけで怪異と戦うわけですが、なんかこう、
若手俳優としてキラキラしていて魅力があるんですね。お話もアリガチとはいえ、そこは
ジョー・ダンテ監督、ツボを押さえたいい演出で、決してダレることなく見せるんですよ。まあホラーとはいえ、あちらの国では3Dのファミリー・ムービーとして公開されたものなので、そんなにどぎついホラー要素はありませんので、そういうのを期待するとガッカリされるかもしれませんが、『世にも不思議なアメージング・ストーリー』系だと思えばいいんですよ。物語は中盤まで「結構低予算だったんだろうなあ」という作りなんですが、クライマックスに来て
ジョー・ダンテらしいシュールなセットと展開が見られてこれがまた嬉しいんですね。オレやっぱりグログロのきっついホラーよりもこういうファンタジー系のほうが好きなんだなあ。