DDさんのDJイベントに行った

  • 昨夜はDDさんのDJイベントがあるというのでDさんと一緒に渋谷で落ち合う。DDDDDDDDD。
  • この日は生憎の雨であったが渋谷はそんなこととはお構いなく相変わらず芋でも洗うような大賑わいであった。
  • きっと世界芋洗いフェスタが開催されていたに違いない。
  • Dさんととりあえずラーメンかっ食らう。奈良風のラーメンとかで白菜が入っておりさらにニラをトッピングしているのが楽しかった。

  • さてDDさんの待つ宇田川町の会員制秘密クラブ「投げっぱなしジャーマン」へ。
  • 白手袋のボーイに通され赤いベルベットのカーテンを掻き分けてお店に入ると既にDDさんはスモークが炊かれレーザー光線飛び交う会場の中高さ10メートルのDJブースの上で10台のターンテーブル相手にDDさんの十八番である「三波春夫メガミックス」を披露していた。
  • この日のDDさんのDJファッションはブーツィー・コリンズもかくやと思わせる宇宙からやって来たファンク物体Xといった如きキャンプでヒップでデリリアスなもの。いつもながらDDさんのファッションセンスには驚かされるばかりだ。

  • さてオレとDさんはVIP席へと案内され、イタリア製と思しき皮ソファに深々と腰を下ろすと、間髪を入れずにファッションモデルと見紛うばかりのコンパニオンがやってきた。彼女らは総面積がハンカチ1枚以下としか思えないような布切れのみをまとい、そして誰もがジェットエンジンのようなバストを誇らしげに揺らしていたのであった。
  • そして美しいコンパニオンにしなだれられながらDDさんから振舞われた「下町のナポレオン いいちこ」のネーポン割りをブランデーグラスで啜るオレとDさん。至福の時だ。
  • DJブースの上ではDDさんがビニール盤10枚によるアクロバティックなジャグリングを披露し始めた。
  • そしてどこからともなく半裸の屈強な黒人たちが現れ、DDさんのDJMIXに乗って華麗なボックスステップを踊り始める。
  • そんなうちにもDDさんファンの若者たちが次々と会場にやってきて、オレとDさんに自己紹介してゆく。その誰もが優生学の神が降りてきたかのような理知的で美しい容姿をし、高いデザインセンスの衣服をさりげなく身にまとっていた。DDさんのファンはこんな方たちばかりなんだなあ、と改めて感心する。
  • いよいよDDさんのDJも佳境。ターンテーブルと共にクレーンに吊るされたDDさんはDJをしながら宙を舞っている。〆の曲はDDさんが最も敬愛すると言うロマン・ポルシェ。の「薩摩大根ブルース」だ。
  • 花火が上がり眩いばかりの光が会場に満ちる。花火の火は天井に燃え移り会場を半焼したがDDさんのDJでは日常茶飯事でありご愛嬌とでも言うべきものだろう。
  • DJを終えたDDさんが愛用の「E・YAZAWA」とプリントされたタオルで汗を拭きながらオレとDさんが待つVIPルームにやってくる。オレとDさんは腰を上げ拍手でそれを迎える。
  • DDさんは身長2メートル体重120キロの巨漢だがその体はアスリートのように鍛えられあたかもギリシャ彫刻のような美しい肉体を誇る男だ。
  • DDさんはいつものバラの香りのコロンをかぐわせ眩しい笑顔を浮かべながら「今日はどうだった?」と男でさえ魅了するバタータフィのような甘い声でオレとDさんに囁きかけた。白状すると、このときオレはちょっとだけDDさんにときめいていた。
  • 「もちろん最高でしたよ!最高という以外に言葉が浮かびません」オレとDさんを口をそろえてDDさんを賞賛した。
  • 「ありがとう。ありがとう。僕は、自分が常に最高であることを心がけ、それを実践できる男であることを誇りに思っているんだ」そんなことを言うDDさんは、なにか後光でも指しているようにさえ見えた。
  • 会場中の美しい女性たちがやってきてDDさんに群がり始める。もみくちゃになりながらDDさんはオレとDさんに「悪いがこれから彼女らと秘密のパーティーに行かなきゃならないんだ。やっぱり男は、女性に奉仕していくらだからね。君たちも来るかい?」と告げ、ウィンクをしてよこす。
  • 「いやーちょっともったいなさ過ぎてスンマセン今回はご遠慮させてください」オレとDさんは腰が引けてしまいDDさんのお誘いにご辞退する。「そうか。残念だね。ではまた次の機会に!では今夜はありがとう!」そう言ってDDさんは女性たちを伴い白いリムジンに乗ってどこかへと消えていったのであった。
  • 100円傘を差しながらそれを見送ったオレとDさんは「DDさんカッケー!!」と口々に絶叫しながら宇田川町を後にしたのであった。