最近読んだコミックなどなど

グーグーだって猫である(6) / 大島弓子

グーグーだって猫である6

グーグーだって猫である6

1996年から足掛け15年執筆されてきた作者・大島さんと飼い猫の生活を描くこの物語は、主役猫であるグーグーの死去によってこの6巻で完結となる。子猫のグーグーが家にやってきた頃から描かれていたので、15年と言えばそこそこ長生きした猫だったのかもしれない。ある意味、このコミックは一匹の猫の生涯を描ききったドキュメントともいえるだろう。グーグーの死は淡々と描かれるが、臨終の前夜、布団の中で大島さんの差し出した指をそっと握るグーグーの描写にはやはり胸が痛んだ。その他の章は大島さんと猫との相変わらずの日常が描かれる。そしてそんな相変わらずの日常がまた、読んでいて心和む。大島さんは猫好きが高じてしまい部屋で何匹もの猫を飼い、野良猫への気配りも忘れず、なんと家に迷い込んできた野良猫を動物病院に連れてゆき不妊手術まで受けさせているのだそうだ。一歩間違えば「行き過ぎた」博愛精神になってしまうところだが、結局大島さんの大きな愛情と同時に、それを可能にする経済的時間的余裕があればこそのような気がする。つまり、「できる」からこそ、大島さんは、多数の猫を扶養し愛情を振り撒くことが「できた」のだと思う。その中で不妊手術は愛あればこその責任感なのだろう。登場する猫たちはどれもやんちゃで可愛らしく、彼らが群れてにゃあにゃあ言っている姿などは読んでいてやはりほっこりしてしまう。しかし猫を飼う事は決して楽しいことばかりではなく、オシッコやウンチの臭いで悩むことも多いようで、部屋の壁が猫のオシッコで山水画の如く染みが出来てしまった、という描写は凄まじかった。猫漫画は数あるけれども、大島さんの猫の漫画は、ホンワリした中にどこか寂しさがあった。それは、猫たちそれぞれとの生活は、決して永遠ではない、ということを大島さんがきちんと感じていたからなのだろう。グーグーの物語のそんな部分が好きだった。

アイアムアヒーロー(7) / 花沢健吾

アイアムアヒーロー 7 (ビッグコミックス)

アイアムアヒーロー 7 (ビッグコミックス)

ゾンビパニックホラー『アイアムアヒーロー』の7巻目はゾンビ映画の定番「本当に怖いのは人間だよ」展開。ようやく辿り着いた安全地帯が実は無法地帯であり、そこを仕切るチンピラどもが主人公一行に迫る。あーでも「本当に怖いのは人間だよ」展開ってあんまり好きじゃないんだよなあ。結局この後はこいつらみんな齧り殺されるってオチがミエミエだもんなあ。いわば現在ザコキャラと戯れているという段階な訳で、ちょっと緊張感が希薄になってるかも。ただ新キャラの女子は今後も絡んでくるってことでOKなんだろうか。なんとなく幸薄そうなんで今後の生存確率は低めに思えるが。連載読んでないけど案外もう死んじゃってたりして(誰も教えないように!)。

■チャンネルはそのまま!(4) / 佐々木倫子

チャンネルはそのまま! 4 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

チャンネルはそのまま! 4 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

TV局お仕事漫画『チャンネルはそのまま!』の4巻です。もともと北海道ローカル局が舞台だったから、TV業界の華々しさやドロドロした部分が希薄で、「TV局」のほうよりも「お仕事」のほうにアクセントが置かれているのがいいですね。今回は主人公・雪丸と彼女の同期・山根が報道局から編成局情報課にまわされて情報番組を担当、また例によってドタバタを披露しております。ただお話はどれも楽しめましたが、段々ネタ切れになってきているような気もするなあ。