■ブラック・スワン (監督:ダーレン・アロノフスキー 2010年アメリカ映画)
- とても残念な人の映画ですね。
- というかとても残念な人の映画です、と最初から分かっているわけだからとても残念な人と今更のように言ってしまっても意味が無いんだが、まあ要するに映画観ている間中ホントに残念な人だなあ、とずっと思ってしまった。
- 仕事きつくてもうアタシ残念な人になっちゃう!と言いながらやっぱり残念な人になりましたあって、そのまんまじゃないか。
- というか早く病院行きなさいよあんた。
- 行けないなら誰かが連れて行ってあげるべきでしたね。
- 単にそういう映画だと思ったなあ。
- いや実のところクラシックバレエの世界という舞台が目を惹くし、エンタメ映画作品としてはよく出来てると思うし中盤「なげーなーこれ」と思っちゃいましたが全般的にはまあまあ飽きずに観れましたし決して駄作愚作凡作のたぐいではないとは思うんですよ。
- ただオレ、個人的に「やっぱり駄目です負けましたあ」って映画がね、好きじゃないんですよ。
- 葛藤があったらそれを克服して欲しいし、葛藤が葛藤のまま終わっちゃったら物語になってないと思うんですよ。
- なんとかできるのが自分しかいないのなら自分で何とかする物語にして欲しかった。
- それが結局「何にもしなかったし何にも出来ませんでした」って、っそりゃないでしょ。
- 「とことん一所懸命やったけどでもやっぱり駄目だったホントにホントに無念だった」という映画だったらオレは一緒に泣いてあげられますよ。
- ってかこの映画ホラーでいいじゃん。ホラーじゃダメなの?
- ところでバレリーナって労災効くの?
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■アンチ・クライスト (監督:ラース・フォン・トリアー 2009年デンマーク/ドイツ/フランス/スウェーデン/イタリア/ポーランド映画)
- チョメチョメしまくってたら子供が窓から落ちて心が壊れてしまった奥さんと「俺はセラピストだから全然OK」とばかりに頓珍漢なことをやらかす間抜けな旦那とが織り成す愉快で心温まるスプラッタームービーです。
- 残念な奥さんの話かと思って観たら残念な旦那の話だった。
- お話の大前提が「自分の子供自分の不注意で死なせちゃったら誰でも気が狂うほど苦しみますよね?」という部分で作られているのがイヤだ。イヤだから取り合えず「知らんわンなもん」と言ってあげることにしよう。
- そもそもこいつら夫婦に見えん。シャルロット・ゲンズブールはいいとしても、ウィリアム・デフォーがナチ顔だし。
- 心が風邪をひいてしまった人に冷水ぶっ掛けるとどうなるか、といういい例ですね。
- 旦那、能書き垂れすぎ。半端に賢くて感情面が貧困な人間の典型みたいなヤツですね。
- ってかこの映画ホラーでいいじゃん。ホラーじゃダメなの?
- タイトルは「反キリスト」でその理由と映画のテーマは柳下毅一郎氏の解説できっと正しいんだろうけど、まあしかししょーもない映画であることは確かだろう。
- この陰鬱さやら醜悪さやらはキリストな人たちのものであってそれを信仰も何も無い日本人のオレが観て「なるほどー」と感心しなきゃならない謂れは無いし。
- もちろん日本人であろうともキリスト教を信奉する欧米人の価値観をたっぷり受け継いでしまっている以上「カンケーありましぇん」と言うことはできないかもしれないけど、逆にだからこそ、「アーイヤだイヤだ性格悪いし性格暗いし付き合いきれんわこいつら」って言ってやるべきだと思う訳よ。
- だから「ほらほらこんなに苦しんでどんどんどんどん悪くなっていってこんなに狂ってしまいましたよー凄いですねー怖いですねー」とかやってるラースなんちゃらいう映画監督の回復したがらない病人のような性格の悪さ性格の暗さそれ全部ひっくるめたひねくれた人間性にTVバラエティの客席の仕込みのおばちゃんみたいにいちいち律儀に頷きまくってないで「お前アホやろ」と言ってやったほうがいいんだと思いますよこんな映画。
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