土下座、それは新たなる戦闘形態!?〜『どげせん』

■どげせん(1) / 板垣恵介 & RIN

どげせん 1巻 (ニチブンコミックス)

どげせん 1巻 (ニチブンコミックス)

今話題沸騰の土下座漫画それがこの『どげせん』!その心は土下座専門土下座先生!やれッ!やるんだッ!ヤツラに魂も凍るような戦慄の土下座を見せ付けるがいいッ!そもそも"土下座"がテーマっていったいどんな漫画なんだ?といぶかる方もいるかもしれないが、帯なんかにはこんなことが書いてある。

一人の男が…一つの行為が…全人類に問う!!"強さ"とは何かを!!
本能を揺さぶる衝撃作が今始まる!!
"土下座"――それは 新たなる戦闘形態!!

いやあ、凄いですね。何を言ってるのか全く訳が分かりませんね。そもそも土下座でどうやって戦闘するっていうんでしょうか。いいえ、この漫画の主人公、田代まさしに激似の国語教師、瀬戸発(せとはじめ)は戦ったりなんかしません!要所要所でいきなり、突然、ありえない土下座をするんです!どんな土下座をするのかは見てのお楽しみ!

しかも、土下座連発の漫画と見せて、この漫画に収められている全7話の内物語内で土下座をしているのは僅かの3回!他の回では「いまか!?いまなのか!?いま土下座するのか!?」とぎりぎりまで期待させておいてまさかのフェイントなんぞしやがるから読者泣かせです!

しかし、土下座はしなくても「ドゲ眉、ドゲ耳、ドゲ鼻、ドゲ目、ドゲ髭……のドゲ表情筋(つくり)!まるで顔面(カオ)ごと土下座しているような……ッッ 土下(ドゲ)リミナル!!?」と登場人物に言わしめるような土下座顔をしているんで、対峙するものは既にして土下座されているような気分になってしまうのですよ(ホントかよ)!まあしかしここまで書いても何の漫画かやっぱりさっぱり分からないですな!

お話のほうも土下座をすることで物事が解決しているかのように見えますが、いえいえ、単なるこじつけが殆どです。つまりはこの漫画、土下座をすることで相手に譲歩の心を生み出させる、とかなんとかいう高尚なものではなくて、単にいきなり土下座する不気味なヤツに相手が混乱している隙を突き済し崩しに事を収める、という恐るべきお話だったのですね!だってどう考えても単なるキチガイだものこの主人公!この確信犯的なキチガイ振りがシュールな笑いを生む、というお話なんですよ!これは意表を突かれる漫画だわ!
参考:
Burning like a Flame - 男の魂に火をつけろ!
記録的瞬間最大風速マンガ「どげせん」 深町秋生のコミックストリート