香港映画『冷血十三鷹』は仮面ライダーだった!?

■冷血十三鷹 (監督:スン・チュン 1987年香港映画)


冷血!残虐!非道!極悪な白髪オヤジ谷峰(クー・フェン)に率いられた13人の殺し屋集団、その名も『冷血十三鷹』!しかしその暴虐の日々に嫌気が刺し、"十三鷹"から抜けだした一人の男がいた!彼の名は狄龍(ティ・ロン)!その狄龍を許すまじと執拗に追撃する十三鷹の刺客たち!狄龍の命は風前の灯火だったが、その狄龍を助ける一人の男が現れた。その男、傳聲(アレクサンダー・フー・シェン)の助けにより追手は次々と倒されてゆくが、傳聲の正体は謎に包まれていた…。狄龍は十三鷹を壊滅することができるのか!?そして傳聲の正体は!?

カンフー映画『冷血十三鷹』であります。しかしオレ、普通に「カンフー映画おもしれえええ!」とか思って観てましたが、この『冷血十三鷹』あたりはホントは"武侠片(武侠映画)"と呼ばれるジャンルのものらしいんですな。武侠映、つまりは剣戟映画、日本で言うところのチャンバラ映画です。観ていると確かに武器による応酬が多いですもんね。でも普通にカンフーも入っているし厳密な分け方も分からないので大雑把にカンフー映画って呼んじゃやっぱり怒られるかな?どっちにしろ香港映画観るならきちんと知っておいたほうがいい言葉のようですね。というわけで改めて、武侠片『冷血十三鷹』であります。

殺し屋集団から抜け出した男とその組織との飽くなき殺戮劇が中心であり、狄龍の過去が語られたりもしますが基本的には戦闘に次ぐ戦闘、そのアクションを楽しむ、とてもシンプルなお話になっています。ただそこに傳聲の正体、という謎を盛り込むことにより、物語に大きな膨らみををもたらしているところがこの映画のポイントとなっておりますな。ま、ダウンタウンの歌で言うと「敵〜か味方か、カウボォ〜イ〜♪」ってところでしょうか!クライマックスは傳聲の正体を知り懊悩する狄龍、そして組織のドン・谷峰との最終決戦、と物語はドラマチックに盛り上がってくれるのですよ。

それと合わせ、"十三鷹"の面々が個性的で実に楽しい!それぞれ実に派手な色合いの衣装で差別化されているのはもとより、13人が13人別々のユニークな武器を駆使するんです。様々な武器対武器によるアクションの豊富さ、面白さ、それもこの『冷血十三鷹』の魅力の一つとなっているでしょう。しかしこの十三鷹のみなさんの集合写真があるのですが、バックにドドーンと掲げられた鷹のエンブレム、そして変なコスプレした怪しさ満点の十三鷹の面構え、なんか観たことあるなあ…と思ったら、

これって『仮面ライダー』のショッカー基地っぽくありません!?そういえば仮面ライダーもショッカーの改造人間だったのを抜け出してショッカーの怪人に追われるというお話だったし、ライダーも怪人も人間離れした攻撃技持ってたし、途中から仮面ライダー2号が助けに来て二人で戦っちゃうこともあったし、もう観ている途中でオレの中ではこの『冷血十三鷹』、『仮面ライダー』に脳内変換されてましたよ!そうか、香港のクンフー/剣戟映画って、日本で言うところの特撮ヒーローモノだったのか!そうかそういうことだったのか!(多分違う)

■冷血十三鷹 予告編


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