『ゲット・スマート』『40歳の童貞男』のスティーヴ・カレル主演、アクション・コメディ映画『デート&ナイト』

デート&ナイト (監督:ショーン・レヴィ 2010年アメリカ映画)


この映画、『ゲット・スマート』『40歳の童貞男』のスティーヴ・カレルが主演したアクション・コメディで、本国ではそこそこヒットしたようなのですが、いかんせん海外コメディのあんまり受けない日本ではDVDスルーになっちゃったんですよね。原題は『Date Night』ですが、トム・クルーズキャメロン・ディアスが主演した『ナイト&デイ』に限りなく近いバッタもん臭い邦題にされちゃってますねー。でも内容自体は全然バッタもんじゃないし、アクションコメディとして観るなら最近日本で公開された『グリーン・ホーネット』や『RED / レッド』よりもスマートで面白く出来ていたと思うし、コメディ映画『デュー・デート』を公開するぐらいならこちらも公開してよ、とちょっと思っちゃうような良作だったんですけどね。

お話はこんな感じ。最近結婚生活がちょっとマンネリ気味のフィルとクレア(スティーヴ・カレルティナ・フェイ)はある日、気分を変えようとニューヨークの超人気高級レストランに行ってみることにしたが、当然満席で入ることが出来ない。しかしそこでフィルは予約席の呼び出しに応じないカップルがいる事に気付き、ちゃっかりそのカップルに成りすまして席についてしまう。ところが、そのカップルと勘違いされ、フィル夫婦は怪しげな男たちに追い掛け回される事に!警察もあてにならず、家にも帰ることのできなくなってしまったフィル夫妻はこの危機をどう乗り越えるか!?というもの。

主演のスティーヴ・カレルはちょっと老けたかなあ。奥さん役のティナ・フェイは映画出演こそ無いものの、サタデーナイトライブの売れっ子コメディエンヌで、この彼女が慌てふためく奥さん役をとてもチャーミングに演じておりました。脇も面白い俳優が固めていて、『スパイダーマン』シリーズのジェームズ・フランコが『スモーキング・ハイ』に続いてまたもコメディを演じているのが楽しいし、『ラブリーボーン』『マックス・ペイン』のマーク・ウォールバーグがスーパーハッカーの役をやっていて、このスーパーハッカーというのがなぜかいつも上半身裸のナルシスティックな野郎で、映画の最中何度も笑わせてくれました。他にも『アルマゲドン』『ダークナイト』の名脇役ウィリアム・フィクナー、『スモーキング・エース』『団塊ボーイズ』のレイ・リオッタなどが出演しております。監督は『ナイト・ミュージアム』のショーン・レヴィ

フィル夫妻が成りすましたカップルはヤヴァいファイルの入ったフラッシュ・ドライブを持っていて、そのせいで二人はマフィアや汚職刑事に追われるのですが、フィル夫妻が考え付いたのは「じゃあこのフラッシュ・ドライブを自分たちで手に入れちゃえ!」というもの。ここから追いつ追われつの大アクションが始まるのですが、それまで地方都市で平々凡々と暮らしていた夫婦が、突然銃撃戦やら派手なカーチェイスに巻き込まれ(このカーチェイスでのドタバタがまた本当に可笑しい!)、ジタバタしながらも間一髪で切り抜けていくところが小気味いいんですね。挙げ句の果てにストリップ・クラブでダンスまで演じてしまうんですから、マンネリ夫婦にとって相当忘れられない夜になったことでしょう!これだけ危機また危機の連続なのに、夫婦漫談みたいにボケと突っ込みを演じるファイ夫婦がまた愛らしかったりします。そんな夫婦の様子をカップルで観ても面白い映画かもしれませんね。ちょっとスーパーハッカーの腕に頼りすぎな展開ではありますが、手堅くまとまった良質のコメディになっていました。