『ハングオーバー!』監督の2006年製作コメディ『恋愛ルーキーズ』

■恋愛ルーキーズ (監督:トッド・フィリップス 2006年アメリカ映画)


この間やっと日本で公開された『ハングオーバー!消えた花婿と史上最悪の二日酔い』が面白かったので、監督であるトッド・フィリップスの別の作品を観てみようと思ったんですな。で、選んだ作品が2006年作、『ナポレオン・ダイナマイト』『俺たちフィギュアスケーター』 のジョン・ヘダー主演のコメディ『恋愛ルーキーズ』でありましてですな。お話はダメまくりのダメ男ロジャー君(ジョン・ヘダー)がダメさを返上するために自己啓発セミナーに入会するところから始まります。しかしアメリカン・コメディってダメ男話好きねえ…。
そのセミナーの怪しい講師ドクターP(ビリー・ボブ・ソーントン)は高圧的で嫌味な男なんですが、その極端な講義が逆に功を奏し(講師から「そこにいるやつをぶん殴れ!」とか指令が来たらみんなでボコにしたりするんです)、ロジャー君はじめセミナーのみんなはメキメキとアブない目付きをしたポジティブ野郎へと変身してゆくんです。この辺は『ファイト・クラブ』みたいで面白かったんですが、その後ドクターPがロジャー君を試す為なのか本気なのか、ロジャー君がやっと口説いた彼女を奪ってしまうわけなんですわ。
なんかこっからの展開が、嫉妬と復讐と陰謀と策略の暗い炎がメラメラドロドロと燃える、実に笑えない嫌ったらしいだけのお話になっちゃうんですよ。だいたいビリー・ボブ・ソーントン自体が実に嫌ったらしい顔していますもんな。まあ俳優が観ている人間に「こいつメッチャ腹立つわァ」と思わせるということは演技の勝利ということなのかも知れんが、笑えないっていうのは致命的かもな。途中あのベン・スティラーが絡んできてちょっと盛り返すかな?と思ったら一緒になってドロドロ展開ですわ。
ラストも二転三転してみせますがもう飽き飽き。なんかくどいお話でしたなあ。『ハングオーバー!』みたいな痛快さがなくてちょっと残念でした。それと「なーんか観たことある話だなぁ、これひょっとして観るの2回目?」とかずっと既視感あったんですが、それってアダム・サンドラー、ジャック・ニコルソン主演の『NY式ハッピーセラピー』なんですな。別にパクリとかではないんでしょうが、同じテーマの映画観るんだったら断然『NY式ハッピーセラピー』を観る方をオススメします。

■恋愛ルーキーズ 予告編


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