「ローリング・ストーン」インタビュー選集 世界を変えた40人の言葉

「ローリング・ストーン」インタビュー選集 世界を変えた40人の言葉

「ローリング・ストーン」インタビュー選集 世界を変えた40人の言葉

"平均発行部数140万部を誇る、アメリカでもっとも影響力のある雑誌の一つ『ローリング・ストーン』。40年の歴史の中で語られた、数多くのインタビューの中から、厳選された40人のインタビューを掲載。"
『ローリング・ストーン』誌のインタビュー選集。"世界を変えた40人の言葉"というのはちょっと過大過ぎる表現だと思うが、少なくともショウ・ビジネスの世界を変えた人々の言葉、という言い方は出来るかもしれない(ビル・クリントンダライ・ラマはショウビズの人じゃないけどね)。
収録されているインタビューは次の40人。

ピート・タウンゼント/ジム・モリソン/フィル・スペクタージョン・レノンレイ・チャールズトルーマン・カポーティー/ニール・ヤング/オリアーナ・ファラーチ/ブライアン・ウィルソンジョージ・ルーカスジョニー・カーソン/ジョニ・ミッチェル/フランシス・コッポラトム・ウルフジャック・ニコルソンビル・マーレイクリント・イーストウッドエリック・クラプトンティナ・ターナーロビン・ウィリアムスレナード・バーンスタインスパイク・リー/ジェリー・ガルシア/アクセル・ローズブルース・スプリングスティーンデヴィッド・レターマン/デヴィッド・ゲフィン/カート・コバーンコートニー・ラブミック・ジャガーパティ・スミス/ハンター・S・トンプソン/ビル・クリントンダライ・ラマボブ・ディランオジー・オズボーンキース・リチャーズエミネム/ボノ

自分はここに収録されている全ての人物の名前を知っているわけではないし、全ての人物に興味があるわけでもない。また、名前だけは知っているけれどもその作品はよく知らないアーチストもいる。勿論、名前も作品もよく知っているアーチストのインタビューは興味深く読んだが、自分がよく知らなかったり興味の無かったアーチストのインタビューも実に読ませるものがあった。
また、そのアーチストがいつインタビューを受けたのか?というのも重要な要素で、歴史的名作発表前後のインタビューは作品理解にも繋がって面白い。例えばピート・タウンゼントはロック・オペラ『トミー』のアイディアを練っている最中の時期であったり、ジョン・レノンビートルズ脱退後のソロ第1弾『ジョンの魂』発表直後のものだったりする。特にジョン・レノンは才能あるものの慢心と俗世への侮蔑心が、"愛と平和"ではない"怒れるジョン・レノン"の片鱗を垣間見せ、このインタビュー集の中でも白眉のものだろう。
カート・コバーンのインタビューは死の1年前に成されたものであり、その妻コートニー・ラブカート・コバーン自殺直後のインタビューだ。ミック・ジャガーキース・リチャーズは散々売れた後のもので、インタビューの焦点は「なぜローリング・ストーンズはこんなに長く続いているのか?」だったりする。総じてロック・アーチストのインタビューはドラッグ絡みの話題がこれでもかとばかりに語られ、相当に凄まじい。ジョージ・ルーカスは映画『スターウォーズ』成功の後のものでフランシス・コッポラは映画『地獄の黙示録』公開直後のインタビュー。
読む前はそれほど興味の無かった人物のインタビューで面白かったのはまずトルーマン・カポーティー。ストーンズのツアー・レポートを途中で投げ出したカポーティーにインタビューするのはあのアンディ・ウォーホール。そしてカポーティーの語るストーンズ・ツアーのぶっ飛んだ内容。まあ昔っからロック・ミュージシャンのツアー武勇伝って凡人には破格過ぎるもんがあるよなあ。エリック・クラプトンのインタビューからはこの人は基本的に職人なんだなあと感じた。名前すら知らなかったイタリアの評論家オリアーナ・ファラーチは言葉の端々から立ち上る鋭利な知性が読んでいてワクワクさせられた。ジョニ・ミッチェル、パティ・スミスボブ・ディラン、彼らの音楽は生憎自分の趣味ではないのだが、そのインタビューからは非常に瑞々しく先鋭的な感受性を感じ取ることが出来た。そして読んでいて「この人好きかも」と思ったのはオジー・オズボーン