『バンコック・デンジャラス』は別の意味でデンジャラスな映画だった!?

■バンコック・デンジャラス (監督:オキサイド&ダニー・パン 2008年アメリカ映画)


『バンコック・デンジャラス』である。デンジャラスなバンコクなんである。バンコクそれ自体よりもお前の頭頂部の方がデンジャラスだろ!と小一時間問い詰めたいニコラス・ケイジ主演のアクション映画なんである。今回のニコラス君の役は腕利きの殺し屋である。もはやこの時点で「それはないだろ」と思うオレである。ニコラス君のいったいどこが殺し屋に見えるというのか。しかしそういうならニコラス君は何の役が一番似合うのかと問われても答えに困る。既にニコラス君はニコラス・ケイジというジャンルの俳優だからである。

冒頭から苦みばしった顔のニコラス君が「人とは係わるな」「証拠は残すな」「秋茄子は嫁に食わせるな」など、殺し屋の心得をブツブツ言いながらクールでニヒルに殺しの仕事をこなしてゆくんである。なんかかっこつけてんである。気取り腐りまくりやがっていらっしゃりますのである。しかしそんなニコラス君が、ついついバンコク娘に恋をしてしまうんである。うれしはずかしはにかみデートなんかしちゃうんである。この時点で「おいおいおい」と思うオレである。「人とは係わるな」じゃなかったのかよ。「秋茄子は嫁に食わせるな」じゃなかったのかよ(違)。
そしてデート中にバンコク娘に絡んできたチンピラたちを勢い余って皆殺しにするニコラス君である。いくらデートで興奮していたからとはいえこれはちょっとやりすぎだろニコラス君。当然フラれるニコラス君である。でも未練たらたらでこっそり彼女の家を覗きに行ったりするんである。この時点で「なんじゃそりゃ」と思うオレである。
で、このニコラス君には助手のタイ人青年がいるのである。この青年がなんだかガレッジセールのゴリにそっくりなんである。そしてニコラス君といえばモト冬樹である。だから映画観てるとなんだかモト冬樹とゴリがコントやってるみたいに見えてきて段々クラクラしてくるのである。このへんもまたデンジャラスな『バンコック・デンジャラス』なんである。あ、特に触れませんでしたがアクション映画なんでちゃんとドンパチもしてます。