最近聞いたプリンスとかデペッシュ・モードとか。

■LotusFlow3r/Prince

Lotusflow3r/Mplsound/Elixir

Lotusflow3r/Mplsound/Elixir

先日発売されたプリンスの3枚組アルバムは「取り合えずアルバム3枚作っちゃったけど別々に売るのもタルイんでセットにして激安価格でファンに奉仕しちゃるんでそこんとこヨロシク」といった性格のアルバムである。もともとプリンスは泉のように楽曲が湧いてくる人なので、ガンガンアルバム作って発表したかったのだろうが、これまではレコード会社とのナニで自由に出来なかったのが、ここにきて何でもアリだろ?ということになったのではないかと思われる。
3枚のアルバムはそれぞれコンセプトが異なっており、「LotusFlow3r」はプリンス・ギターがギュインギュイン鳴り響くバンド・サウンド、「MPLSoUND」はプリンスらしいチャカポコいう打ち込み中心の音、「Elixer」はプリンスのアルバムではなく、プリンスが全面プロデュースした(らしい)ブリア・ ヴァレンティという女性ボーカルの人のアルバム。
オレは「パープルレイン」からプリンスを聴き始めたクチかなあ。その後過去のアルバム全部をおさらいし、新作が出る度にアルバムを買っていたファンではあったが、「ダイアモンズ・アンド・パールズ」あたりからなんだか思い切りの悪い音になっているような気がして、最近では「3121」を聴いた以外は暫くプリンスから遠ざかっていた。しかしこの3枚組「LotusFlow3r」は久々にオレの知ってるプリンスらしいプリンスの音で、かなり気に入って聴いている。ここには「パープルレイン」以降のどんどん先鋭化していったプリンスの音は無いけれども、こういった気楽さや気安さのあるプリンスも実は結構いいんじゃない?なんて思う。
あとオマケのようにセットされたブリア・ ヴァレンティさんのアルバムは、変態プリンスサウンドを聴いた後に聴くと淡白すぎるように感じるかもしれないが、単体で評価するならプリンスの隙の無いアレンジが焼肉食った後のペパーミントガムのように清涼感に溢れていて胃の調子もなかなか良くなるという感じのものであった。
試聴

◎prince ft q tip chocolate box HQ

http://www.youtube.com/watch?v=klSYGoCdH-s:MOVIE

■Sounds of the UniverseDepeche Mode

Sounds of the Universe: +DVD

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デペッシュ・モードは80年代にPSBやニュー・オーダーあたりと一緒によく聴いていた。当時は"エレポップ"なんて謂われ方もしていたようだが、単純にシンセサイザー音やリズムボックスの音が好きだったオレはこのテの音があればすぐ飛びついていたものである。やはり最初はクラフトワークの「ヨーロッパ特急」でしたかね。その後ゲイリー・ニューマンやヒューマン・リーグ、ウルトラ・ヴォックス、ジョン・フォックスあたり。まあこの頃のニュー・ウェーブ・サウンドはなんでも聴いていたので、こればっかりという訳でもなかったけど。
その中でデペッシュ・モードはいわゆるダークでゴスな雰囲気と金属ビート、そして冷ややかで哀愁ヨーロッパなメロディで一歩抜きん出ていたような気がする。非常にコンセプトがきちんと固まっていたバンドだったんでしょうな。初期の頃の音を除けばこれまで出したアルバム(って全部聴いてないのだけれども)は横道に逸れる事も無くある意味どれも同じ音だもんなあ。ただメロディアスなのにも関わらずなぜか情緒性は薄いのね。よくコントロールされた商業アルバムとして完成している反面魂にずっしり響かないというか。その辺があまりハマらなかった理由でしょうか。
このアルバム「Sounds of the Universe」でもその印象は変わらないんだけれども、先行シングル「Wrong」のPVの暗さが面白くてついつい久しぶりに買ってしまった。「Wrong」PVはYouTube埋め込み禁止になっているのでこの辺で観てみて下さい。
試聴

◎Wrong:Depeche Mode (Live)