最近聴いたCDあれこれ(テクノにハウスにヒップホップなどなど)

■Immolate Yourself / Telefon Tel Aviv

Immolate Yourself

Immolate Yourself

Telefon Tel Aviv新譜キター。鮮烈なエレクトロニカだった1stからどんどんwetで泥臭い音へと退行してゆく不思議なユニット。鋭敏で才気ほとばしる若者が現実の壁に阻まれて次第に覇気を失ってゆくのを見ているかのよう。そしてユニットの片割れCharles Cooperが1月22日に変死。やっと届けられたこのアルバムは感情の最後の搾りカスのような音だ。なにかもがいている音のようにすら聴こえる。M4なんて精神衰弱したa-haみたいじゃないか。なんてダメな音なんだろう。ダメで、ダサくて、そして、悲しい、という現実。それが音になってしまったアルバム。どたどたと歯切れの悪いリズム、バランスの崩れたシンセ音。結晶化する前に崩れてしまうメロディ。精神的に、かなり、きつかったんだろうなあ。それが分かってしまって、そして死の事実を聞いてしまうと、なおさら悲しくて遣り切れないアルバムだ。試聴

■FabricLive44 / Commix

Fabriclive.44

Fabriclive.44

おおおお久々に聴くドラムン・ベース!ドラムンはジャングルなんてぇ呼び方をされていた頃から聴いてましたが、まずLTJ Bukemにはまり、暫く間を置いてHospitalレーベルにぞっこんになり、時にはドラムンしか聴いていなかった時期があったほどであります。このCommixはGoldieのレーベルMetalheadzからアルバムリリースをしているようですが、このFabricLive44ではオレ好みのキレイ目アートコアからGoldie譲りなダークコアなドラムンまで幅広くミックスしており好感度急上昇中。試聴

■When a Banana Was Just a Banana / Josh Wink

When a Banana Was Just a Banana

When a Banana Was Just a Banana

JoshWinkの新作アルバムは自曲のDJMIXという洒落た作り。JoshWinkは相当のベテランDJなんだが、アルバム聴くのは初めてだなあ。どうもルックスから軟派なハウス(嫌いじゃないが)みたいなのを想像していたんだけれど、こうしてちゃんと聴いてみると、押さえるところをきちんと押さえたベテランの風格すら漂うTech House/Minimal/Acid。考えすぎず聴きやすく踊りやすいまさに良質な1作。試聴

■Fabric 44 / John Tejada

Fabric 44

Fabric 44

John Tejada、よく知らなかったんですがこの人もアメリカのベテランDJらしく、このFabric44ではDeep&Tech Houseな音をミックスしています。ええと…オレの乏しい音楽的ボキャブラリーでは言い表せないんですがこの音かな〜りツボです。とりあえず「テッキーだなあー」とか言っておくことにします。あと名前はジョン・テヤーダとはテハーダとか読むそうです。自分用にメモ。試聴

■The Renaissance / Q-Tip

Renaissance

Renaissance

あうー。なーごーむー。HIPHOPはそんなに詳しくなくとも元ATCQQ-Tipの音が別格であることは聴けば分かるというもの。暖かい愉悦に満ちたビートが延々と続くこのアルバムは何度繰り返して聴いてもずっと楽しい気分でいられる。激情や悲哀や昂奮が無くたって音楽というのはこれだけ軽やかに鳴り響くことが出来る。HIPHOPファンだけのものにするにはあまりに勿体無いアルバムでしょう。みんな聴きなさい。試聴

■Harmonized Session Mixed by Spirit Catcher

スピリットキャッチャー

スピリットキャッチャー

あれこれ話題だったり人気だったりするテクノ/ハウス・ユニットらしいが、このミックスを聴いた限りではちょっと薄口というか個性が感じない出来上がりになっているんじゃないかな。収録時間が60分っていうのも短いような気がするし、案外やっつけ仕事で作られたアルバムなんじゃない?試聴

■Pop Ambient 2009 / V.A.

POP AMBIENT 2009

POP AMBIENT 2009

ドイツ・ケルンのテクノ・レーベルKompaktから毎年出ているアンビエント・コレクション新作。霧に覆われたドイツの黒い森シュヴァルツヴァルト、シュヴァーベン=バイルン高原に降り積もる細雪、ウンターバイエルン丘陵地に降りる霜…なんだかそんなもの(見たような事書くな)を想起させる鬱蒼としたアンビエント・サウンド。冷ややかで凛とした硬質さが心地良いです。試聴