インクレディブル・ハルク (監督:ルイ・レテリエ 2008年アメリカ映画)

緑色したでっかい奴が帰ってきた!HoHoHo!いや違うそれはグリーン・ジャイアント!♪ハイリハイリヒレ、ハイリホ〜!いや違うそれは丸大ハンバーグ!ガンマ線を浴びて変身した怒れる巨人、超人ハルクがスクリーンに再び戻ってきたんだ!ちなみにアン・リー版の「ハルク」は辛気臭そうだったのでオレは未見!

映画は冒頭、タイトルバックの段階でガンマ線照射実験、ハルク化による実験失敗、ハルクになっちゃったブルース・バナー博士(エドワード・ノートン)が軍から身を隠す為に国外逃亡、恋人との別れ、ハルクを狙う軍部…と、物語のあらましや主要人物が全部紹介しちゃっているというのが凄い!ハルクの話だって皆知って観に来ちゃってるんだから、ちんたら時系列を並べて最初から物語を語っちゃうより数段いいね。で、お話は博士の逃亡先のブラジルから始まるんだ!

このブラジルの、みっしりとくっつきあいながらどこまでも広がっている住宅街の空撮がこれまたいい。うらぶれた薄汚い建物の様子から、低所得者層の住む街なのだろうと想像するのだが、逆に生活感と活気があって、貧乏生活が肌に馴染んでいるオレなんかは、なんだか住んでみたくなってしまった!清潔感溢れる近代的な建築物になんか住めねえんだよオレは!雑居ビルとかトレイラーハウスとかビンボ臭い住居を見ると落ち付くんだよ!映画と関係ない話でスマンがな!

さて折角隠れていたのにアメリカ軍は博士を発見、軍を投入して博士を追う!ってかそれ海外派兵かよ!?街中で銃ぶっ放して外交問題にならんのかよ!?なんてツッコミは無しだ!ほうほうのていで逃げた博士は再びアメリカの地を踏むが、ハルクになってパンツ以外の持ち物が無いと言うのに、ちょっと物乞いした程度でどうやってアメリカまで戻れたんだよ!?なんていうツッコミも無しだ!で、知り合いの家に身を隠したり元恋人を訪ねちゃったりするんだが、おいおいアメリカ軍、関係者の自宅には監視の目ぐらい光らせとけよ!?というツッコミも当然無しなんだ!

で、例によってまたまたアメリカ軍に発見され、壮大にドンパチやるハルクさん!これがまた滅法強い!銃弾も砲弾もみんな弾いちゃう!火に包まれたって全然平気!文字通り無敵!軍の装甲車もヘリもみんな叩き壊しちゃう!こんだけ強すぎるとどこに落としどころを見つけるのか気になるところだが、なんとやるだけやってハルクさん、気を失った恋人を抱えて逃げてしまうんだ!…おいおいアメリカ軍!これだけでっかい生き物が動き回ってるというのになんで見失っちゃうんだよ!?

そしてあれこれあって、ラストは軍によって強化された悪者ハルクとの一騎打ちだ!もうここまで来ると怪獣映画!しかしなんかいろいろ強力なのは分かるが、結局はムキムキな筋肉同士が殴りあいしているというのが基本なんだな!そう!アメリカのアクション映画はどんなに強力な火器を持っててもテクノロジーを兼ね備えていても、最後に殴り合って決着つけるというのがお約束なんだ!要するにマッチョ万歳というやつだな!しかしここのシーン…なんか往年の東宝怪獣映画、「サンダ対ガイラ」そっくりだったんだが!?

主演のエドワード・ノートンは見た目が貧弱なんで、これがハルクに変身するという落差を狙ったキャスティングなんだろうな。そしてヒロインのリブ・唇・タイラー!実にヒロインらしい美人ちゃん振りで、これがハルクと並びとまさに美女と野獣という雰囲気がしてよかったぞ!なんだか知らんがついついハルクの近くにいるばっかりにすぐ危険に陥ってしまい、これを助ける為にハルクが頑張っちゃう、という筋書きもお約束だ!心拍数が上がるとハルクになっちゃうから、博士とヒロインはエッチしそうになっても出来なかった、というギャグまでちりばめられ、そこそこ面白く観られたハルクであった!ただ技出す時に自分で「ハルク・スマッシュ!」とか言うのはちとナニかと思いました。

インクレディブル・ハルク 予告編