東京国立博物館に行って日本美術とジャポネスクってヤツをタンノーした!

先日は上野にある東京国立博物館に行って美術展を二つ見てきましたよ。

■「対決−巨匠たちの日本美術」展


いやー、朝9時半から開館のところを10時に入ったら、すっかり人でごった返していた「対決−巨匠たちの日本美術」展。人気なんですねえ。”巨匠対決!”とか言われても日本美術に暗いオレが知っている名前はあんまりなかったりするんですが、それでもぐるっと一回りするのに2時間以上掛けて堪能してきました。
ただ、例えば屏風絵なんかは近くに寄って微細に見るというよりは、遠くから全体像を眺め、こういった屏風が置かれていたであろう空間を想像しながら見たほうが楽しめるような気がして、人の頭ばかり見えてしまうような展示状態では、その絵の本来持つ特質が分かり難いだろうなあ、という気はしました。
さて、今回最も楽しみにしていたのは伊藤若冲と曽我蕭白の絵だったんです。見てもらえば分かると思うんですが、なにしろサイケデリックでドラッギーな描線と色彩がたまらない!子供の頃にこれを見せられたら多分怖い、と思ったでしょうが、それほど異様で過剰な激情でもって描かれた絵であったのでしょう。
勿論そこにはここまでに至る日本美術の技法の洗練と爛熟の歴史があったればこそなのでしょう。そういった歴史性を垣間見るといった意味でも、日本美術を代表する絵師たちの作品を一同に見られたという意義はあったような気がします。
伊藤若冲「仙人掌群鶏図襖」

曾我蕭白「群仙図屏風」

あと途中の物販コーナーでは雪狼さんが日記で書かれていた巨匠バッチのガシャポンもやってみましたよ!オレのは快慶でしたよ。

東京国立博物館 「対決−巨匠たちの日本美術」

■「フランスが夢見た日本−陶器に写した北斎、広重」展


こちらは東京国立博物館表慶館1階で開催されていた「フランスが夢見た日本−陶器に写した北斎、広重」展。19世紀にフランスで製作された浮世絵がモチーフのテーブルウェアが展示されておりました。広重の「東海道五十三次」や北斎の「北斎漫画」からの図柄がお皿の絵として描かれているんですな。当時はジャポネスク・ブームというやつで、かの地ではこういった浮世絵の意匠が様々なものに流用されていたんでしょう。
展示物の最初のセルヴィス・ルソーのものは、タッチも粗くただ模写された図柄が描かれているだけの割と素朴なものが多かったんですが、セルヴィス・ランベールが手掛けたもののあたりから、模写だとしても美術的に非常に技巧の高い図像になっていってましたね。
面白かったのは魚や鳥獣、草木をお皿のモチーフとして描くのは分かるんですが、そのほかに必ず虫もその中に加えられているんですね。それもお皿の端っこのほうに。料理の盛られたお皿の端っこに虫の絵が見える…というのはどうなんでしょうか!?

◆東京国立博物館 オルセー美術館コレクション特別展「フランスが夢見た日本−陶器に写した北斎、広重」