ワシントン・コード(監督:ピーター・メダック)


祖母の葬式の為に久々に生家に戻ったある一家。彼らはその生家の地下室にある、米初代大統領ワシントンの肖像画の中から、奇妙な手紙を発見する。それは、ワシントンが生前、人肉を喰う性癖を持っていたことを証明するものだった…。J・ワシントンがカニバリスト!?という突拍子も無い設定もさることながら、さらにそれを信奉する”ワシントニアン”なる狂信者達が現れ、アメリカ開拓時代のレトロな衣装にウィグという珍妙な出で立ちで暴れまわる。なんじゃこりゃ?ではあるが、ここで冒頭の「アメリカはイラクで何を行っているのかを隠している」というラジオ放送の言葉が生きてくる。つまり、これってワシントンを使った、「アメリカ政府は何かを隠している!」という陰謀史観のパロディなのだ。街中の住人がカニバリスト、というのもH・G・ルイスの『2000人の狂人』を思い出させて楽しいし、なにより武力国家アメリカを揶揄した皮肉なラストも面白い。

13 thirteen 「ワシントン・コード」 [DVD]

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