バイオハザードIII (監督:ラッセル・マルケイ 2007年 アメリカ映画)

■汚染段階1《胎芽》
カプコンゲームを映画化した『バイオハザード』も遂に3作目である。安直な企画モノでしかなかった1作目、間違って売れちゃったから調子こいてでっち上げた2作目、どちらも”所詮ゲーム映画”の名に恥じない毒にも薬にもならないB級映画なんだが、実はオレ、この『バイオハザード』シリーズが、大好きなんである。なぜってあなた、そりゃミラ・ジョボビッチが美しいからに決まってるじゃないですか!
さてこの3作目、『バイオハザードIII』であるが、最初に言っちゃうと

「この『バイオハザードIII』は2007年度にオレが観た最高の映画である」と言い切ってしまおう!

ええとお話は、なんたらウィルスで全世界が滅亡して地球はぞんびだらけになってええとそしてそこでぼくらのみらがぱんぱんじゅうをうちながらぞんびたちをたおしてゆくというものがたりだけれどなにしろあんまりおはなしがばかだからかいてるぼくちんもばかになっちゃったよぉっ!…というぐらいのバカ映画、もとい、バカアホマヌケ丸出し映画なんだよ〜〜〜ッ!以下ネタバレしまくりなんで注意!

■汚染段階2《感染》
だいたいもう初っ端から砂漠を行くコンボイ集団の映像でモロ『マッドマックス2』しまくってるんだ!ここまで似せるかよ!同様にここまで似せたとある漫画にちなんで『世紀末救世主伝説・ミラ・妊婦・ジョボ貧乳ビッチ』とタイトルを変えてほしいぐらいだ!でも白状するがオレは貧乳が好きなんだよッ!これまでの人生で惚れたことのある女子は揃いも揃ってみんな貧乳だったぐらいだよッ!貧乳を見るとドキドキときめくオレってどうかしてるかな?かな?…ってオレの個人的好みの話なんかどうでもいいんだよッ!!でそのあとヒッチコックばりに鴉の大襲来とかあるんだけど、これをミラたん(はあと)が超能力で倒しちゃうんだ!ぐは!超能力!聞いてねーよッ!いつから超能力使えるようになったんだミラ!これそういうお話だったっけ?なんか大友克洋の『アキラ』入ってねーか?
それにキミ、地球が滅亡したと言うのになんでミラノファッションでも身にまとってるかのようなオサレな格好してるんだよ?あと地下には敵役の超コングロマリット・アンブレラ社の巨大秘密基地があって、そこでなにやら陰謀だの実験だのしてるんだけど、世界が滅んだっちゅーのに今更ナニをインボーすることがあるんだよ!大体その基地の建設とか維持とかどうしてるんだよ!それにそれだけ資本と科学力と武力持ってんならちまちま「ゾンビ善玉化ウィルス」なんか研究してないで強力爆弾でも世界中にばら撒いてゾンビみんな灰にしちまえばいいじゃないかよ!

■汚染段階3《発症》
冒頭でミラたんを襲う追いはぎ連中。餌食にした人間を襲わせる為だけにゾンビ犬をあれだけ沢山自分らのアジトに飼っておくって、ちょっとリスク高すぎじゃねえか?あと世界を車で廻りながら生をしのいでいる『クレアの武装車団』!お前ら燃料どうしてんだ?食いモンや水は略奪だけで間に合うのか?『ランド・オブ・ザ・デッド』みたいに生き残りのコロニー作ったほうが効率良くねえか?そして「私には仲間達の安全を守る義務がある」とか言ってたリーダーのクレアさん、それだけ言っといて何故”最も危険”なはずの都市部に入っちゃうんだ?挙句の果てに仲間がほぼ全滅じゃないか!それとそこにトラップ仕掛けたアンブレラ!なんでそこにミラ&武装車団が行くって判ったんだ?そこまでヘリコプターで行ったみたいだけど、アンブレラ秘密基地っていったいどこにあるんだ!?
あと今作の最重要アホアホ人物、アンブレラのアレックス博士!「ゾンビ善玉化ウィルスの実験に成功した」とか言って仲間の科学者集めて、でも結局ゾンビは凶暴化しちゃうんだか、科学者のくせに実験の検証がおざなりすぎなんだよお前!そして自分だけさっさと逃げて仲間を見殺しにするアイザック博士!しかし人もそれだけ減ってるのに科学者という人的資源をそこまで無駄遣いしていいのかよ!さらにゾンビに噛まれ、ゾンビ化を阻止する為になんたらウィルスを自分に打つんだが、「特別なゾンビだったからウィルスを何本打てばいいかは判んないんだよ、エヘ」とか言ってガシガシ注射して、そのお陰でなんと!怪物化までしちゃうお茶目なアレックスさんだ!だからさ!お前科学者なんだから結果考えて物事するとかいう頭使えよ全くよおッ!

■汚染段階4《拡散》
で、ラスト!書かないけど、なにしろそれだけのもん作る資本と科学力があったらもっと別のことに使ってるだろ普通!コスト管理とかしないのかよアンブレラは!全くお前らと来た日にゃあ、超科学で人体改造した怪人作って世界征服とか言いながらラーメン屋の汚いジジイ誘拐してウヒヒヒとか笑ってる*1仮面ライダーのショッカーのアホらしさとどっこいどっこいじゃないかよおお〜〜ッ!!さらに映画が終わってタイトルロールでは「日本版イメージソング」とかいって幸田なんちゃらという不浄えーべっくす歌手の音階外れた唄が場内に響き渡って客が全員座席でずっこけてたという嬉しいオマケつきだ!そうかこれはオチだな!オチなんだなッ!?

■汚染最終段階《バイオハザード
といった具合に、この『バイオハザードIII』は徹頭徹尾突っ込み所満載のイタ過ぎる映画なのだった!最初は映画を観ながら3分に1度ぐらい突っ込んでいたオレだったが、次第にその突っ込み頻度は幾何級数的に上昇、最後は10秒に1回ぐらいは突っ込んでたぞ!なんでそこまでオレを楽しませるんだ『バイオハザードIII』!いったいオレをどうするつもりなんだ『バイオハザードIII』!楽しいぞ!楽しすぎるぞ『バイオハザードIII』〜〜〜ッ!あんたって…恐ろしい子

そういう訳であまりのバカさ加減に愉快で愉快で堪らない映画だった!でもな!愛だの思いやりだのとまやかしでにせものの言葉で白々しく飾った薄っぺらな情緒至上主義映画と比べれば、整合感だのドラマツルギーだの気取り屋が使うお利巧そうな言葉を全てゴミ箱に捨て、徹底的に見世物に徹したこのアホアホ映画が、オレは、オレは大好きだ!
もう一度繰り返そう!

この『バイオハザードIII』は2007年にオレが観た最高のアホアホ映画だ!

RESIDENT EVIL: EXTINCTION Trailer


*1:「そういうエピソードはありません」とか冷静に突っ込まないように。