全米で売れに売れたというギリシャ神話を題材にしたアクション・ゲーム、それがこの『ゴッド・オブ・ウォーII 終焉への序曲』である。主人公は血塗れの狂戦士であり、ただ己の欲望と復讐心を満たす為に殺戮を繰り返すという残忍な男だ。その男がギリシャの神々と熾烈な戦いを繰り広げるというのがこのゲームのストーリーである。冒頭いきなり世界七不思議のひとつと言われる”ロードス島の巨神像”との戦闘から始まり、その巨大なボスキャラが画面一杯に暴れ回るド派手な映像から既にしてゲームに魅せられるだろう。しかもこのボスキャラがしつっこいぐらいに死なず、ゲームの初っ端から歯応え有りすぎの戦闘を堪能できる。
この『ゴッド・オブ・ウォーII』、1作目も高い評価を得ていたのだが、いかんせん日本ではあまり売れなかったのらしい。そして今作も北米版発売前から前評判が異様に高く、オレも注目していたのだが、実際遊んでみるとこれがもう面白いったらありゃしない。新作ゲームはコンスタントに買っているのだが、どれもクリアする気配が微塵も見られないという駄目ゲーマーのオレだが、今回こそはクリアする気満々である。…多分…。
しかもこれ、次世代ハードゲームが鳴り物入りで宣伝されている昨今で、PS2のみでの発売なのである。しかし侮ってはいけない。PS2の性能をフルに使ったと言われるこのゲームの美麗なグラフィックとダイナミックな動作は、半端な次世代ゲームと比べても全く遜色の無いクオリティだ。なにより洋ゲーならではの濃密でバタ臭い雰囲気は、PCゲーマー(ただしヌルい)のオレでさえ納得できる出来栄えなのである。なにしろゴツイ顔の筋肉キャラが咆哮を上げながら敵を切り刻み、血飛沫飛び散る残酷描写の濃さがいい!
ゲームのほうはチュートリアルが実に丁寧、難易度は高めだがコンティニューは無限で、死んでもセーブポイントではなくチェックポイントからの復活になるのでやり直しやすい。戦闘は動きの派手な通常攻撃や魔法も爽快感があって楽しいが、ゲーム中ではパズル的な要素も多く、適度に頭を捻らされる。また、敵の弱点を上手く攻略しながら指定されたキーの目押しでアクションを繰り出し、場面場面で見せる多彩で驚異的な攻撃が映画的でカッコイイ。
そして戦いのフィールドも多様で、水中を潜ったりクリーチャーに乗っての空中戦まで存在したりと、まさに縦横無尽の戦いぶり。その目まぐるしく変化する戦闘シーンはゲームを全く飽きさせる事がない。物語は御馴染みのギリシャ神話の神々やモンスターが次々と登場し、それらが神殺しを誓った主人公と絡み合いながら様々に展開し、しっかりと作られた物語は荘厳な雰囲気さえ感じさせる。この『ゴッド・オブ・ウォーII』はPS2成熟期の最も優れたゲームソフトの一つであるということも出来るかもしれない。
- 出版社/メーカー: カプコン
- 発売日: 2007/10/25
- メディア: Video Game
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