ダニー・トレホが今日も汗する

ダニー・トレホ。メキシコ顔したアメリカを代表する悪役俳優である。ダニー・トレホの顔の鮫肌振りといったら、ハリウッド俳優ではトミー・リー・ジョーンズと並ぶ汚い肌をしている。オレも昔はニキビ面のブサ男だったので、肌の汚さにはうるさいのである。だからこそ逆に滑らかで極め細やかな肌を見ると陶然としてしまいああもうオジサンどうにでもしてとグズグズになってしまうという美肌フェチでもあるのだが、今回そういうことはどうでもいい。
なにしろダニー・トレホである。なにしろ悪い顔してるんである。聞く所によると若い頃は刑務所を出たり入ったりもしていたらしい。やはり悪い顔しているわけだ。しかし今はご存知の通り更正されて立派な俳優を勤めていらっしゃるのである。過去に暗い影を持ちつつも現在俳優として光り輝く男なのである。シビイ。
さてオレの職場はハードかつ崇高な肉体労働が主体のいわゆる”GENBA”なのだが、ここで日々額に汗して力仕事に勤しむ外国人勤労労働者の方に、このダニー・トレホとそっくりの方がいらっしゃるのである。最初はその顔つきから一瞬「メキシコか!?メキシコ出身なのか!?」などと思ったが、どうやら普通にフィリピンの方らしい。まあ顔は似ているとはいえ、背丈は低いし、髪の毛は短いし、馬蹄型の髭は生やしていないので、言ってみれば「清潔感のあるダニー・トレホ」という言い方も出来るのだが。

さらにこのリトル・ダニー氏だが、実にこまめに働く勤勉な方で、その顔つきとは裏腹の真面目な男なのだ。だがしかし、こうして日本の片隅で実直に働く彼が、フィリピン在住時代に、どのような武勇伝を隠し持っているのかまではオレは知る由も無い。案外若い頃はフィリピン裏街道でブイブイいわせていたかもしれないなあ…でもそこでいろいろあって足を洗い、きっと愛する家族かなんかの為にこうして日本に来て働いているのかなあ…などと勝手に想像を膨らませててうっとりとしているオレである。
追記。以上のことを書いて今日更新しようと会社にやってきたら、今日はお笑いのほっしゃん。をひと回り大きくしたようなフィリピン人労働者の方が来ていた…。ダニー・トレホ似とほっしゃん。似の男二人が働く現場、それがオレの職場なのである。