16ブロック

ブルース・ウィルス主演。レゴブロック世界選手権で決勝まで勝ち抜いた主人公の最後の勝負は、16個だけのレゴブロックで狩野山楽筆、国宝「龍虎図屏風」を再現することであった…。というのは真っ赤な嘘で、ブルース・ウィルス扮する刑事が夜勤明けで帰ろうとした所、「すぐ済むから」と証人護送を押し付けられるところから始まる映画だ。夜勤明けでまだ仕事なんてイヤ〜ンですよねえ。ブルース・ウィルスがたそがれたアル中窓際刑事を枯れた感じで演じているところが良い。しかしダメダメ野郎かと思ったら証人を狙う怪しい男を一撃で射殺しちゃうところから、昔は出来たデカだったのかもしれんなあ、などと思わせる。護送される黒人がペチャクチャと良く喋るヤツで、寡黙な刑事と対比的に描かれるのはよくあるパターンかもしれないが映画を面白くしていた。ヒットはしなかったかもしれないが、300ページぐらいのミステリ小説を読み飛ばすような安心できる軽さのある作品だった。