ハードキャンディ

主人公は30代のフリーカメラマン。ある日パソコンの出会い系サイトで知り合った14歳の少女を家に招いてしまうが、その少女の作った飲み物を飲んだ後気を失う。気が付くと彼は縄で縛られ、目の前には例の少女が冷酷な表情を浮かべ立っていた。「このロリコン野郎。お前みたいな変態は思い知らせてやる。」彼女は一体何者なのか。そして彼女の目的は?
全ロリオタ必見の戦慄ムービー。しかしこれは戦慄なのか?いたいけな14歳の少女が家に来て自分を縛ってイジメまくってくれるんだぞ。「このオタめ!変態め!」と口汚く罵り、暴力を振るってくださるんだぞ。お金出してもそんな目に合いたい人は結構、いや、かなりいるのではないか?「もうちょっと金積むからコスプレしてくれないか?」などとオプションも希望するヤツまで現れるんではないか?「さらに金積むからオレにもコスプレさせてくれないか?」と更なる要求をしてみたりもしてな。もうこうなっちゃうとサスペンスでもなんでもない単なるエロプレイムービーである。え、オレはやってみたいかって?わはは、そんな馬鹿な!…ええと、「この贅肉まみれのアブラ中年!」とか罵ってくれるんならちょっと考え(ry
とまあそんな感じでお話は始まるんですが、結局中盤ぐらいまで「縛り付けられた中年」と「中年を罵る少女」の絵がずっと続いているだけで、ちょっと飽きちゃうんですよね。画面も場面も代わり映えしないし、動きもないしサスペンスも無い。しかし、なんだかなあ、と思って観ていると中盤いきなり超ド級のホラー&サスペンスが!なんと少女が、「あんたみたいなロリコン中年は去勢されたほうがいいわ。私がこれからあんたのタマを抜いてやる!」と宣言し、中年をテーブルに縛りつけ、マジで去勢手術を始めちゃうんですよね!ひぇえぇえぇえぇえぇ〜〜〜ッ!!これまで幾多の残虐ゲロゲロホラーをピザ食いながら「ぎゃはは、ハラワタだ!ノーミソだ!」と笑いながら見ていたクソカス外道人非人のオレでありますが、「キンタマ摘出手術映像」は正直応えました!リアルな映像描写は一切出てきませんが、(ってかタマキンは画面に出せねえよなあ)雰囲気だけでも見ているこっちが内股になり体モゾモゾさせて「いやん!やめて!」と何故かオネエ言葉で絶叫してしまうぐらい気持ちの悪くなるシーンでありました。多分この気持ち悪さは男にしかわかるまい!
しかしこの具合の悪くなるシーンを過ぎるとまたも中年と少女の凡庸な駆け引きへと到ってしまい、もはやどうでもよくなってきます。大体少女の動機が最後までよく判りません。しかもこの少女役の女の子は結構熱演しているものの、喋りすぎるせいで逆に狂気や暴力性が見えてこないんだよな。単なる非力で頭でっかちのガキなのよ。その利発ぶった態度が段々鬱陶しくなってくるし、内面が描かれないから感情移入できないし、なんかロリコンオヤジのほうに味方したくなっちゃうんだよな。ラストも「何これ?」といった按配です。着想は面白いが展開が殆ど無い、といった意味で、脚本的に失敗してるんじゃないかと思いました。