ホラー観たか!ホラ見たことか!

皆さんにあられましてはウジウジベタベタグチャグチャメソメソグダグダヘロヘロしてる映画ばっかり観すぎなんだ!ウジウジは蛆だけでいい!ベタベタは血糊だけでいい!グチャグチャはハラワタだけでいい!だいたい皆さんにあられましては心だの精神だのを信じすぎ有難がり過ぎなんだ!人間は肉だ!肉体だ!勿論肉体だけが人間じゃないが、ココロとセーシンだけでもないんだ!ココロとセーシンを有難がってばかりの人は自らの肉体の存在を忘れがちだ!ホラー映画は怖い!怖くて痛い!そして怖くて痛いのは生きているからだ!怖くて痛いのは厭だから生きようとする!ホラーとはつまり生存についての映画なんだ!
今の社会では人間そうそう生存の危機なんかには至らないでしょ。死は隠蔽されて希薄になって来るでしょ。そしてそのせいで生の意味もまた希薄になる。ホラーの存在はそれに冷水を浴びせる行為なのだと思う。それと当然デトックスとしての作用もあるしな。毒をもって毒を制するんだよ。元気に生きることも前向きに生きることも実際本当に大切なことなんだが、元気!前向き!と掛け声だけ掛けたって誰も元気にも前向きにもならないんだよ。ホラーは暗く薄汚いものだが、それを観ることで自分の暗くて薄汚い部分を解毒する作用もあるんだよ。
だからなんか事件や犯罪がある度にホラーの存在を糾弾するのは実は逆なんだよな。隠蔽されるものはもっとさらに暗くどろどろとしたものになっていくだけだよ。人間には弱い部分も駄目な部分も暗くて深いダークサイドもある。それも全部ひっくるめて人間で、そういう部分をどうにかしなきゃな、と思うから人は成長する。ホラーとは人の陰画でありダークサイドだ。でもそれを無視したからと言ってダークサイドが無くなる訳ではない。綺麗事だけ並べても社会が綺麗になる訳では決して無いのと一緒だ。と、いつものマスコミのホラー叩きを見ながらオレは思ったのだった。