サスペンスとかそういうの

ホラーでもサスペンスでも一番うんざりさせられるパターンは、登場人物がアホなゆえに事件が起こり事態が混乱し悲劇が広がる、というヤツだな。で、大概が何十人も死なせておきながら事件の発端を作り全てをヤヤコシクさせたヤツがクライマックスまで生き残り、「何故こんな恐ろしい事が起こるんだ!」なんて叫んじゃったりするのな。それはオメーのせいだってば。そういうのに限らず、サスペンスを盛り上げる為にわざとらしいぐらいドン臭くて行動のじれったいヤツが出てきて、周囲の足を引っ張るとか誰か仲間を死なせちゃったりするのな。
これはこういうドン臭いヤツにイライラさせられるというのと同時に、サスペンスの盛り上げ方として安易だし下手糞だと思うのよ。パニックに至って身がすくむと言うのは人間あるのだろうが、それを物語内でやられると確実にテンポを殺ぐな。結局自分の身を守れないヤツがヤラレちゃったって、そんなもんホラー映画ならザコな訳だから描写するだけ時間の無駄なんだよ。
あの名作スプラッタホラー『ゾンビ』が何故凄い映画だったかというと、登場人物達がお互いの知力や能力を最大限生かし協力し合いながら極限状態の中をサバイヴするのだけれど、それでもなお死の暗い穴が彼等をいやおう無しに飲み込んでゆく、という悲劇性があったからだと思うんだよな。