シェゲナコンビニ

朝入ったコンビニには今時見ることの少ないロカビリー風のヘアスタイルをした兄ちゃんがレジに立っていた。オレが買い物をレジ台に置くとバーコードリーダーを小粋に操りながら兄ちゃんは言った。「あっしゃめましゅかぁ?」…巻き舌である。ロケンロラーのしるし、巻き舌で何か訊いてきてるんである。オレは2秒ほどお兄ちゃんの今言った言葉を反芻し、兄ちゃんが「暖めますか?」と言ったらしいことを脳内翻訳する。「…あ、結構です。」と答えるオレ。兄ちゃんは更に他の品物にバーコードリーダーを走らせ、また巻き舌で何か訊いてきた。「◎▲□×っしゅかぁ?」…もう何を言ってるのか完全に判らない。訊き直すのも面倒になり適当に「あ、はい。」と答えるオレ。そして精算が終わり、おにぎりと雑誌しか買ってないのに何故か二つに分けられたコンビニ袋を渡され、さらに中を覗くと割り箸が二つ入っていたのを発見したのであった。恐るべし、恐るべしロケンローラー。