- 出版社/メーカー: キングレコード
- 発売日: 2006/11/08
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『バタリアン』『バタリアン2』に続くバタリアン・シリーズの3作目である。1作目の『バタリアン』はお馬鹿ホラーの金字塔的作品だが、この間公開された『5』ともなるととてもショッパイ映画になっちゃってるらしい。取りあえずオレは『4』まで観て止めておいたが。さてこの『バタリアン・リターンズ』、前作『2』がちょっとおふざけが過ぎたせいか、今作ではシリアス路線に戻ったようである。なんとラブロマンスである。バタリアンになっちゃった彼女とその現実を受け入れたくないボクとの悲劇、その名も『世界の中心で「脳みそ!」と叫ぶ』である。…なんかこのネタ以前やったな。バタリアンの彼女を守れば守るほど周りの人間が食い散らかされてゆき、血と脳漿を撒き散らしたおぞましいバタリアンが大量発生し、はらわた引き摺りながら新たな犠牲者を生んでゆく、という、愛の為なら世界の一個や二個滅んだって構いやしない最近よくいる困ったカップルのお話なんである。
ただこのお話、バタリアンになったというのにこの彼女だけがずっと人間の意識を持っているというのがズルイといえばズルイのだが、映画をゾンビ物というより吸血鬼物の亜種だと考えれば結構納得がゆく。なにしろバタリアンになった後の彼女が顔にも体にもボディピアス状のものを埋め込み、サイバーゴシックな出で立ちへと生まれ変わり、これがまた格好がよかったりするのだ。ゾンビといえば崩れた死体、というのとはまた別なのである。災厄を地上に広める彼女は死の女王なのであり、有象無象の人肉喰らいとは別の格を持っているということだ。即ち自我を持った”死”という点でヴァンパイア的なのである。…などと分析するほどの映画でもないんだが。
『バタリアン』といえばタールマンやオバンバなどゾンビの造型が楽しいシリーズでもあるが、今回もそこそこ面白いゾンビが見られた。今回気に入ったのは体から脊椎ごと頭部を引きずり出され、中途半端なろくろ首みたいな格好になったまま襲い掛かってくるゾンビである。オレはクイクイ男と名付けたが。長い首(というか脊椎)をクイクイ動かすからな。あとバタリアンというのはゾンビと違って銃で頭を打ち抜かれても活動停止しないが、この映画では液体窒素のようなものを充填した弾丸を発射する特殊な銃が登場し、これをバタリアンの頭部に打ち込んで頭を瞬間冷凍し活動停止させる、というアイディアが面白かった。ゲシュタポの女刑務所長みたいな軍の幹部もキャラ的にマニアックな萌え要素があり楽しかった(ホントかよ)。
■トレイラーじゃないけど:『The Return Of The Living Dead III』
http://www.youtube.com/watch?v=ecj6tg3a1Ns