砂浜の話

くらげが不思議だなあ、と思ったのは幼少の頃だったでしょうか、磯で遊んでいて透明な紡錘形の生き物を捕まえた時でしたかね。ミドリムシの大きな奴(緑色ではなかったですが)とでも言うのでしょうか、よく見ると体中に細かな繊毛が生えていてそれが動いて泳いでいるのですよ。くらげと言うと頭部があって沢山の触手があって…というイメージだったので、このような形のくらげがいるというのを発見した時はちょっとした驚異でした。それとあれはくらげなんでしょうか、よく浜辺に緑色の透明なゲル状のものが打ち上げられていて、その奇怪さに宇宙生物だ!などと子供心に勝手に誤解しておりました。あと大昔の特撮映画に「宇宙大怪獣ドゴラ」というのがいまして、これが100メートルはあろうかという巨大なアンドンクラゲが空を舞う、という怪獣だったのですが、なにしろそのあまりにシュールな形態に心奪われてしまったものです。
くらげは生き物っぽくないところ、生きているのかいないのかわからないところ、生きている理由が見つけられないところが素敵でした。できればくらげみたいに生きたいとちょっと思ったりしました。…昔からおかしな人間でしたね。
(CHIKAKOさんへ)海キャンプって楽しそうな響きですね。実はオレの実家の浜辺もワラジムシやハマトビムシだらけで、それはそれは臭くて薄気味悪い浜でした。これは沿岸の昆布漁の為に養殖された昆布が時化ると浜に大量に打ち上げられて腐れまくっていたからです。だから海辺に住んでいたにも拘らず、TVや映画の輝くような砂浜って見たことも無かったし、とても憧れていたものなんです。