ええと今日で最後です。最後だからって盛り上がったりはしません。だらだらと始まりだらだらと終わる、いつものオレの日記そのものですな…。
ナイト・ウォッチ NOCHNOI DOZOR 特別編 [DVD]
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ロシア製作のホラー3部作の第1弾です。これが実は傑作です。
スラブ文化圏独特の匂いが立ち込める人々の生活や社会の様子がまず映画のヴィジュアルに異質なテイストを持ち込んでいて目を引きます。善と悪との抗争、という割と在りがちなコンセプトも、お互いに”協定内””協定外”というビジネスライクな視点が設けられ、マフィアと警察が反目しながら共存している図式を思わせます。また、『闇』『光』であることも生来のものではなく、自らその属性を選択することによって成り得るんですね。その為戦いに奇妙な割り切り感があり、クールなんです。この辺の見せ方は、例えば『アンダーワールド』の力で押し合うだけの殲滅戦を繰り返すヴァンパイアとライカンの戦いと比べて彼らの持つ社会の複雑さと時代を経ることで生まれる退廃感を感じさせ、物語に深みと生々しさを生み出していると思います。
そもそもの対立の発端は「ビザンチン文書」に書かれたある”呪い”であるということが言われているのですが、調べてみると東ローマ帝国の呼称である”ビザンチン帝国”は395年‐1453年まで存続していた国であるということなんですね。最終的にはオスマン帝国に滅ばされたとありますが、想像するに、映画の中の『光と闇の戦い』とは東西ローマ帝国の対立でもありオスマン帝国との対立でもあると。さらにロシア製作と言うことから現代では米ソ東西陣営の対立というものもありましたね。映画の『光と闇の戦い』はこの古代から連綿と続くヨーロッパの対立の歴史と概念があるのかもしれませんね。だから力としては拮抗しながらお互いを監視しつつ出方を伺っていると。こういう見方をしてもちょっと面白いかもしれません。
さて3部作と言うことなので物語はまだ決着がついていません。次作は『闇』側から描かれた『デイ・ウオッチ』、そして3作目はその最終戦争の有様が描かれるのでしょうか。
■デュカリオン
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物語はいつの時代に作られたか定かではない合成人間=フランケンシュタインと、臓器抜き出し殺人を追う刑事コンビ、そして怪しい陰謀を巡らす異形の遺伝子工学教授の三つ巴の絡み合い…になるはずだったんでしょう。映画『セブン』とTVシリーズ『Xファイル』を混ぜて『コンスタンティン』みたいなホラー調アメコミヒーローの臭いを振り掛けたような作品にしたかったのだと思われます。こうして書いてみると面白そうな要素はあるのですが、逆に言うと新鮮味が足りない部分もあったのかも。一番に感じたのは登場人物にまるで魅力を感じないというところ、暗く怪しい雰囲気はあるのだけれど、何の物語なのかよく判らない、といったところでしょう。TVの視聴者はきっと誰にも感情移入できなかったに違いありません。この辺にTV製作されなかった敗因があるのではないかと。