The Wolves in the Walls (New York Times Best Illustrated Children's Books (Awards))
- 作者: Neil Gaiman,Dave McKean
- 出版社/メーカー: HarperCollins
- 発売日: 2003/08/05
- メディア: ハードカバー
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Lucyは両親と弟と一つ屋根の下に住む少女。或る日彼女は「壁の中に狼がいる!」と家族の皆に訴えますが誰も信じません。しかしある晩、遂にその狼が壁を飛び出し、家の中を荒らし始めます。ほうほうのていで家から逃げ出したLucyの家族ですが、Lucyは家の中にもう一度戻ろうと決意します。何故なら、彼女のお気に入りの子豚のぬいぐるみを放って置けないから…。
シュールなストーリー、可笑しな結末が楽しい絵本です。それにしてもニール・ゲイマンは”夢”や”地下世界”や”壁の中”など、この世界とほんのちょっと隣り合わせの別世界から何かが飛び出すお話が得意なようですね。
そしてデイブ・マッキーンのモダンにデフォルメされ美しく鮮烈な色彩が爆発するアートワークが実に素晴らしい。CGやコラージュの使われた背景、奇妙に抽象化された登場人物の姿と、ペンのタッチで描かれた狼のコミカルさの対比が面白い。主人公の少女の顔は人によって”怖い”かもしれませんが、オレはこの表情の無さが逆にその感情を想像することが出来て面白い絵だと思った。『サンドマン』の表紙でも不気味だが心を捉えて離さない、妖しい輝きに満ちたアートワークを見せるデイブ・マッキーンですが、この絵本ではその才能を余す所無く発揮し、まさに面目躍如といったところでしょう。
この絵本は原文になりますが、なにしろ絵本なのでオレのような英語が苦手な人間でもお話が判るのがヨカッタ。