- 作者: 諸星大二郎
- 出版社/メーカー: 朝日ソノラマ
- 発売日: 2006/02/23
- メディア: コミック
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一時童話の陰に隠された陰惨な物語が競って本になったことがありますが、諸星自身もそういった題材が結構面白いと思ったのらしい。ただ、そのまま時流に乗るのも抵抗があったらしく、ブームの去った後に短編を発表し始めたということです。
「本当は怖い○○の話」とかいった類のお話は、暴力や死といった御伽噺の本来持つ暗い側面を顕わにしたのでしょうが、この諸星バージョンではもっと作者のシュールな作風が反映され、彼お得意の異次元に迷い込んだかのような物語が多数描かれています。作品によってはラスト近くなってからようやく「元ネタはあの物語だったのか!」なんてわかるお話もあったりと、諸星らしいオリジナリティ溢れる作品集に仕上がっています。出世作「生物都市」を思わせるシーンが飛び出す話もあって、ファンならニヤリとさせられることでしょう。
例によって作画については何も言わない約束でお願いします。オレは味わいがあって好きなんですが。